在宅介護の期間が長くなると、勝手が掴めてくる一方で、知らず識らずのうちに介護を行う側の心身にあらゆる負担が蓄積されるリスクが無視できません。表面上は家族全員で助け合っているつもりでも、長時間常に要介護者に神経を使い続けている1人への負担が、自ずと大きくなってしまうのが現実です。たとえば寝たきりの要介護者の場合、昼夜の区別ができず、真夜中でも病院のナースコール状態で家族を呼ぶこともあるため、慢性的な寝不足が避けられません。仕事や学校がある家族に負担をかけまいと、こうした対応を1人で抱え込んだ結果、健康を害してしまうと、在宅介護を続けられないばかりか新たな複数の問題も発生するでしょう。
こうした家族間の負担のアンバランスを回避するためには、負担が大きな家族に対し、丸1日リフレッシュできる自由時間を確保するなどの配慮が望まれます。いつもは仕事や学校などで日中を不在にしている他の家族が、休みの日に交替で介護にあたることは無理なく実践できる対応です。また、ピンポイントでの活用が可能なデイサービスなど、有事に頼りになる介護サービスに関する最新情報に、常にアンテナを張っておく姿勢も大切です。
要介護者が、ある日突然在宅介護では対応が難しい状態となる可能性は、ゼロとはいえません。要介護者の希望を汲むために始めた在宅介護も、それを理解できないまでに認知症が進行したり体の具合が変化したりしたときは、継続するか否かを冷静に見極める必要に迫られます。在宅介護では、このようなときに迅速に連絡や相談が可能な相手先を把握しておくことも、欠かせない準備の1つです。ここまで挙げた情報のほか、<介護に疲れた家族を救え>では在宅介護を始めるにあたっての注意点がさらに掘り下げられているのでチェックしてはいかがでしょうか。