当座借越(とうざかりこし)
振り出した小切手は当然あとで換金されます。そうすると、小切手に記入されている金額が当座預金から引出されます。
ですから、小切手を振り出す際は当座預金の残高に注意を払って振り出す必要があります。もし、 当座預金の残高が200,000円しかないのに300,000円の小切手を振り出してしまったらどうなるのでしょうか?
当座預金の残高不足により所定の金額が引き落とされない場合、「不渡り」という処分をうけることになります。
小切手を不渡にしてしまうと振出人は、不渡り処分となります。
6ヶ月間に2度不渡りが発生してしまうと、手形交換所から「取引停止処分」を受けます。
そうすると、この後2年間はすべての銀行と当座取引できなくなってしまい、事実上の倒産と言うことになります。
小切手を使う際は、当座預金の残高よりも少ない金額の小切手を振り出していれば問題ありません。
しかし、大きな取引があってどうしても当座預金の残高を超える金額の小切手を振り出したい。 忙しくて当座預金にお金を預け入れる暇がない、 もしくはうっかり忘れてしまったといった場合は、不渡りに気をつけなければなりません。
そういった危険を回避したい場合は、銀行と当座借越契約(とうざかりこしけいやく)を結びます。 この契約を結んでいると不渡りを回避することができます。
< 当座借越契約 >
当座借越契約とは、 一定の限度額までは当座預金の残高を超えて小切手を振り出すことができる契約です。 当座預金の残高を超えた預金金額を引出す事を当座借越といい、銀行から借金をしていることを意味します。
実際の取引と仕訳に入るまえに、当座借越の仕訳方法について説明します。
当座借越の仕訳方法には二勘定制と一勘定制の2つの方法があります。
< 二 勘 定 制 >
二勘定制とは、 当座預金勘定(資産の勘定)と当座借越勘定(負債の勘定)の2つの勘定を用いて処理をする方法です。
①当座預金の残高を超えて小切手を振り出したとき
二勘定制で当座預金残高を超えて小切手を振り出した場合、まず当座預金勘定から全ての金額を引出し、足りない金額を当座借越とします。 その際は、当座借越勘定の貸方に記入します。
実際の取引と仕訳を見てみましょう。
当社の当座預金残高は、100,000円で銀行とは借越限度額300,000円の当座借越契約を結んでいます。
長門商店へ買掛金支払のため、150,000円の小切手を振り出して支払った。
当座借越契約を結んでいる場合は、まず当座預金勘定から金額を引きますので、100,000円が全て引出されます。 そうすると足りない金額は、
100,000 - 150,000 = -50,000
となります。足りない金額が当座借越となるので、50,000円を当座借越勘定(負債の勘定)の貸方(増加)に記入します。
※仕訳をする際には、借越限度額の金額は気にしなくてよいです。
借 方
貸 方
(買掛金)
150,000
(当座預金)
100,000
(当座借越)
50,000
②当座預金の預け入れが行われたとき
当座預金の預け入れが行われた際に、当座借越がある場合は当座借越を先に返済し、余りがあるときは、当座預金に預け入れます。まずは、 借金を返しからということですね。
①の取引の後(当座借越は、50,000円)に、現金300,000円を当座預金に預け入れました。
この場合、まず当座借越の金額を確かめます。当座借越は、50,000円ですよね。当座預金の預け入れは、 当座借越を先に返してからになるので
300,000 - 50,000 = 250,000円
250,000円を当座預金に預け入れることになります。
借 方
貸 方
(当座借越)
50,000
(現 金)
300,000
(当座預金)
250,000
< 一 勘 定 制 >
一勘定制とは、二勘定制のように当座預金勘定(資産の勘定)と当座借越勘定(負債の勘定)を分けず、 当座勘定という一つの勘定で処理をする方法です。
二勘定制では、小切手を振り出した時や当座預金に預け入れをする場合、 当座預金残高や当座借越の残高を調べなくてはならなかったので非常に面倒でしたよね。
一勘定制では当座勘定だけで処理を行うので、スムーズに仕訳ができます。
①当座預金の残高を超えて小切手を振り出したとき
当社の当座預金残高は、100,000円で銀行とは借越限度額300,000円の当座借越契約を結んでいます。
長門商店へ買掛金支払のため、150,000円の小切手を振り出して支払った。
これは、二勘定制の時と同じ取引です。それでは、仕訳を見てみましょう。
借 方
貸 方
(買掛金)
150,000
(当 座)
150,000
単に振り出した小切手の金額を当座勘定の貸方に記入するだけでよいのでとても楽でよね。
②当座預金の預け入れが行われたとき
一勘定制では、当座預金に預け入れた際は、当座借越の返済を気にせずに当座勘定の借方に記入します。
①の取引の後(当座借越は、50,000円)に、現金300,000円を当座預金に預け入れました。
これも、二勘定制の時と同じ取引ですよね。それでは、仕訳の方はどうなるでしょうか?
借 方
貸 方
(当 座)
300,000
(現 金)
300,000
どうですか?一勘定制は仕訳がスムーズにできますよね。
でも、楽にはなったけど当座預金の残高っていくらなの?当座借越の残高はあるの?ないの?と思ったかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
そうなんです。仕訳を見ただけではちょっとわからないんですよね。
そういった場合は、当座の勘定口座を見てみると分かります。
一勘定制の①と②の仕訳から当座の勘定口座を作成してみます。
当座の勘定口座を見ていただいて、残高が借方ならば当座預金の残高となります。当座の勘定口座の残高が貸方ならば、 当座借越の残高となります。
今回は、借方が400,000円で貸方が150,000円ですよね。 ということは借方の残高が250,000円なので当座預金の残高が250,000円ということになります。
振り出した小切手は当然あとで換金されます。そうすると、小切手に記入されている金額が当座預金から引出されます。
ですから、小切手を振り出す際は当座預金の残高に注意を払って振り出す必要があります。もし、 当座預金の残高が200,000円しかないのに300,000円の小切手を振り出してしまったらどうなるのでしょうか?
当座預金の残高不足により所定の金額が引き落とされない場合、「不渡り」という処分をうけることになります。
小切手を不渡にしてしまうと振出人は、不渡り処分となります。
6ヶ月間に2度不渡りが発生してしまうと、手形交換所から「取引停止処分」を受けます。
そうすると、この後2年間はすべての銀行と当座取引できなくなってしまい、事実上の倒産と言うことになります。
小切手を使う際は、当座預金の残高よりも少ない金額の小切手を振り出していれば問題ありません。
しかし、大きな取引があってどうしても当座預金の残高を超える金額の小切手を振り出したい。 忙しくて当座預金にお金を預け入れる暇がない、 もしくはうっかり忘れてしまったといった場合は、不渡りに気をつけなければなりません。
そういった危険を回避したい場合は、銀行と当座借越契約(とうざかりこしけいやく)を結びます。 この契約を結んでいると不渡りを回避することができます。
< 当座借越契約 >
当座借越契約とは、 一定の限度額までは当座預金の残高を超えて小切手を振り出すことができる契約です。 当座預金の残高を超えた預金金額を引出す事を当座借越といい、銀行から借金をしていることを意味します。
実際の取引と仕訳に入るまえに、当座借越の仕訳方法について説明します。
当座借越の仕訳方法には二勘定制と一勘定制の2つの方法があります。
< 二 勘 定 制 >
二勘定制とは、 当座預金勘定(資産の勘定)と当座借越勘定(負債の勘定)の2つの勘定を用いて処理をする方法です。
①当座預金の残高を超えて小切手を振り出したとき
二勘定制で当座預金残高を超えて小切手を振り出した場合、まず当座預金勘定から全ての金額を引出し、足りない金額を当座借越とします。 その際は、当座借越勘定の貸方に記入します。
実際の取引と仕訳を見てみましょう。
当社の当座預金残高は、100,000円で銀行とは借越限度額300,000円の当座借越契約を結んでいます。
長門商店へ買掛金支払のため、150,000円の小切手を振り出して支払った。
当座借越契約を結んでいる場合は、まず当座預金勘定から金額を引きますので、100,000円が全て引出されます。 そうすると足りない金額は、
100,000 - 150,000 = -50,000
となります。足りない金額が当座借越となるので、50,000円を当座借越勘定(負債の勘定)の貸方(増加)に記入します。
※仕訳をする際には、借越限度額の金額は気にしなくてよいです。
借 方
貸 方
(買掛金)
150,000
(当座預金)
100,000
(当座借越)
50,000
②当座預金の預け入れが行われたとき
当座預金の預け入れが行われた際に、当座借越がある場合は当座借越を先に返済し、余りがあるときは、当座預金に預け入れます。まずは、 借金を返しからということですね。
①の取引の後(当座借越は、50,000円)に、現金300,000円を当座預金に預け入れました。
この場合、まず当座借越の金額を確かめます。当座借越は、50,000円ですよね。当座預金の預け入れは、 当座借越を先に返してからになるので
300,000 - 50,000 = 250,000円
250,000円を当座預金に預け入れることになります。
借 方
貸 方
(当座借越)
50,000
(現 金)
300,000
(当座預金)
250,000
< 一 勘 定 制 >
一勘定制とは、二勘定制のように当座預金勘定(資産の勘定)と当座借越勘定(負債の勘定)を分けず、 当座勘定という一つの勘定で処理をする方法です。
二勘定制では、小切手を振り出した時や当座預金に預け入れをする場合、 当座預金残高や当座借越の残高を調べなくてはならなかったので非常に面倒でしたよね。
一勘定制では当座勘定だけで処理を行うので、スムーズに仕訳ができます。
①当座預金の残高を超えて小切手を振り出したとき
当社の当座預金残高は、100,000円で銀行とは借越限度額300,000円の当座借越契約を結んでいます。
長門商店へ買掛金支払のため、150,000円の小切手を振り出して支払った。
これは、二勘定制の時と同じ取引です。それでは、仕訳を見てみましょう。
借 方
貸 方
(買掛金)
150,000
(当 座)
150,000
単に振り出した小切手の金額を当座勘定の貸方に記入するだけでよいのでとても楽でよね。
②当座預金の預け入れが行われたとき
一勘定制では、当座預金に預け入れた際は、当座借越の返済を気にせずに当座勘定の借方に記入します。
①の取引の後(当座借越は、50,000円)に、現金300,000円を当座預金に預け入れました。
これも、二勘定制の時と同じ取引ですよね。それでは、仕訳の方はどうなるでしょうか?
借 方
貸 方
(当 座)
300,000
(現 金)
300,000
どうですか?一勘定制は仕訳がスムーズにできますよね。
でも、楽にはなったけど当座預金の残高っていくらなの?当座借越の残高はあるの?ないの?と思ったかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
そうなんです。仕訳を見ただけではちょっとわからないんですよね。
そういった場合は、当座の勘定口座を見てみると分かります。
一勘定制の①と②の仕訳から当座の勘定口座を作成してみます。
当座の勘定口座を見ていただいて、残高が借方ならば当座預金の残高となります。当座の勘定口座の残高が貸方ならば、 当座借越の残高となります。
今回は、借方が400,000円で貸方が150,000円ですよね。 ということは借方の残高が250,000円なので当座預金の残高が250,000円ということになります。
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