文化的歴史あるまち日本と世界
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公共政策をデザインする
はじめに芸術・文化活動は、今日では非常に数多くの生産基礎となっている。もちろん伝統的な意味での文化分野のものもあるが、ますます増えているのは、文化産業・創造産業という名のそれ以外の活動である。
文脈によつて異なる文化活動による貢献
地域の発展への文化活動の貢献を分析するためには、次の3つの視角が考えられる。
第一の視角は、文化活動が持つ誘引力と意味で、その貢献を位置づけている。記念建造物の修復、芸術祭、展覧会などの活動は、旅行者の地元からの訪問者を引き寄せる。彼らは、この気に財やサービスを手に入れようとしてやって来る。
第二の視角は、その貢献を新たな財とサービスの創造力という意味で位置づける。
第三の、おそらく最も昔からある視角は、何よりも、地域のさまざまなプレイヤー同士のコミニュケーション、プロジェクトの立案、共通のリスクの負担などを進めることのできる価値観と目標の体系を、文化の中に認める。
文化・創造の地域政策に向けて
文化活動が与える影響のこのような多様性・複雑性・脆弱性は無視されることが多く、芸術的・文化活動の振興のための政策は、ほとんどの場合、文化の最終消費あるいは観光に集中している。したがって、文化活動全体を、その核心である芸術創造にとりわけ関心を払いつつ、検討することが望ましい。
ヴェントゥレッリ(Venturelli)は次のように書いている。
『真の問題は、次のアプローチ、すなわち美術史にそびえ立つ一握りの偉人(文化に対する美術的なアプローチ)、文化的実践の質(人類学的アプローチ)、文化的作品の生産の市場規模(産業的アプローチ)にのめり込まないことにあるわけではない。むしろ今日、私たちが直面している最も重要な論点は、社会において大半の人々が、新たな文化の形式の創作に参加できることの可能性にある。したがって、新たなアイデアの形成への社会的な参加の幅はもとより、独創性と総合性に資する環境条件が、文化的活力の真の試金石と政策の唯一の基礎となる。118(注)Venturelli.S(2003).《From the information economy to the creative economy》.Centre for Arts and Culture.www.culturalpoliey.org