麻生氏は24日、福岡市での講演で、国家安保戦略改定に向けた議論の過程を紹介する中で、敵基地攻撃能力の保有について「公明党は専守防衛に反するという理由で反対」したと明かし、山口那津男代表ら幹部3人の名前を呼び捨てにして「がん」に例えた。
麻生氏の発言は公党しかも連立相手を愚弄(ぐろう)する暴言だ。「がん」の比喩はがん患者への配慮も欠くもので、到底看過できない。
戦後日本の防衛政策は憲法9条に基づき、武力攻撃された時に初めて防衛力を行使し、その在り方や保有する兵器は自衛のための必要最小限にとどめる「専守防衛」に徹してきた。敵基地攻撃能力の保有は、麻生内閣を含む歴代政権が、専守防衛の趣旨ではないとして認めてこなかったものだ。
同党の北側一雄副代表は麻生氏の発言に「事実誤認がある」と述べたが、憲法違反発言にはより強く反発、反論すべきではなかったか。それができないのなら、「平和の党」として、自民党の前のめりな防衛政策の歯止め役を果たしているとはとても言えない。
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