オレ
趣味が
“遭難”
なもんで、一度
“神がかった遭難”
という奴を経験したいと思い
出雲の山ん中を
わくわく胸躍らせ
さまよっていたら、
岩の割れ目(今思えば“神がかった”感のある岩だった。)に
DNAのかけらが
突き刺さってたんだよ。
誰のDNAだろって、家でどろろんっと再生させたら、なんと
“ヤマタノオロチ”だっていうじゃん。
聞いてる話と全然違う。まるで凶悪じゃない。イメージ違いすぎ。
ほんとかぁって問い詰めたら、
“あの話はでっち上げだ! 私はスサノオくんにはめられた!! 親友だと思っていたのに!!!”
と号泣。
そのあと、
のたうち&絶叫で事の次第を語るオロチの目は凶赤色に血走り、
口角泡を飛ばすその勢いは凄絶、恐怖をおぼえるほどで、
神話に伝わるオロチそのものだったよ。
その時の話を要約すると、
当時スサノオは下品×乱暴者として名高く、女子に全然モテなかった。
びみょ~に可愛いクシナダヒメ(辻希美似と思われる。)に一目惚れしたものの、全く相手にしてもらえない。
そこで、例の凶悪事件を計画、オロチをその犯人にしたてあげ、
芝居がかった仕掛け(酒を使った超有名なアレですな。)を用意し、
これ見よがしに八つ裂きにして捨てたというのだ。
この一件で英雄となったスサノオは、
クシナダヒメとまんまと結婚、ぬくぬくと余生を送ったんだと。
オロチと親しい間柄になったのも、
どうやらこの計画を完遂させるためだったらしい。
(後編につづく)