君が送る風

それを無下にはできない

駅や道端で声をかけられることがよくあります。

○○百貨店はどこですか?とか、このバスは○○まで行きますか?とか、○○線に乗り換えるにはどこへ行けば良いですか?とか…。

すぐそこに駅員さんがいるのにな、と思いつつ、特に急ぎの用がない限りは教えてあげるようにしています。

旅行に出かけた先でトイレの場所を聞かれた時はさすがに笑いました。私も観光客であってその土地の者ではないんですけど…😅


人見知りな性格なので外を歩く時はなるべく話しかけないでオーラを出しているのですが、声をかけてくる人というのはなぜか吸い寄せられるように私のところへやって来ます。来るような気がします。気のせいですかね?


金山駅でインド人に声をかけられたことがありました。

彼は英語ベースのカタコト日本語、私のほうも中学で習うような簡単な英単語を並べることしかできず、お互い身振り手振りを交えてのグダグダな問答になりました。

よくよく話を聞くと、中津川の友人のところまで行きたいとのこと。なぜ駅員ではなく私に聞くのか⁉︎


ここはJRの窓口まで連れて行き職員の方にお任せするのが正解なんだろうなと思いながら、なぜかおせっかいな正義感が頭をもたげ、私は切符の買い方やいくらお金がかかるとか精一杯のたどたどしい英語で彼に教えてあげたのでした。変な汗をかきました。


その後彼がちゃんと中津川の友人のところへ辿り着けたのか今は知る由もありません。

でもその時とても印象に残ったことがあります。
私がひとしきり説明を終えると、彼は私の手をギュッと包むようにして握り、あなたにはきっと幸せなことが訪れます、的なことを祈ってくれたのです。
それはもうとても熱心に…周りの目もあって少し恥ずかしいなと思うぐらい真剣な眼差しでした。


最近では私は自分に声をかけてくる人はきっと神か仏の化身なのだと思うようにしています。神か仏が人間に姿を変え、私がどんな行動を取るのか試しに来たのだと。

私に助けを求めてきたからには出来うる限りそれに応えたい。「ありがとう」の言葉に弱い私なのです…。


さてなぜこんな話になったかというと、もうすぐ来生たかおさんのコンサートがあるからです。
金山でインド人の彼を助けたのも来生さんのコンサートの直前で、せっかくの楽しい時間を過ごす前に悔いの残るようなことはしたくないと思ったからでした。
コンサートが目前に迫るとインド人の彼のことを思い出します。






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