次の日、私はソワソワしていた。レナさんから『叢雨丸』だけでなく、巫女姫様がどんな人物なのか……本当に楽しみだ!
「羽月さん、ワクワクしていますね!」
「うん……。本当に楽しみだ。」
レナさんに聞いた巫女姫様の情報では、清楚でかなりの努力家。だが、おごる事なく、人当たりも良い……。さらに舞を舞う姿は神々しく、容姿も超美人だという…。驚くことにそんな完璧超人な人が私達と同世代だということだ…
「同世代というのがかなり驚きですね…本当にどんな方なんでしょう…。確か…朝武芳乃さん…でしたっけ?」
「ああ…レナさんが言うには巫女姫様の名前が朝武芳乃さんと言うらしいな…」
昨晩、巫女姫様の名前が朝武芳乃さんという名前であるとレナさんから聞いた。何故だろう…朝武芳乃さんという名前を聞くだけで親近感が湧いた気がした……。それにレナさんが言うには私とその芳乃さんがどこか似ているところがあるみたいだが……
「ハーイ!羽月、あやせ!おはようございます!」
「おはようございます!レナさん」
「おはよう!レナさん」
レナさんが挨拶してくれた。
「今日は建実神社に行くのですね?」
「ああ…そのつもりだが…」
「芳乃とはお友達同士なので、ご案内しますですよ〜」
「そうなのか!?それなら有り難いが…」
「おまかせくださりませよ〜!」
所々、変な日本語を使う子だが、本当に親切にしてくれる、おもてなしの心を持っている素晴らしい仲居さんだ
「穂織の良いところ案内しますですよ〜」
建実神社へ行く途中、レナさんに穂織を案内してもらった。鮎の塩焼きが美味しい店やオーナーが美人な甘味処……素敵な古き良き街並みの道……清らかな水が流れる清流など穂織の素晴らしさが際立っていた。しかし、この街には、かつて恐ろしい祟りがあったらしい。そのためか近代文化が入らず、古き良き街並みがそのまま残ったらしいのだ。だが、つい最近、その祟りが解決された。それを解決したのが、今の巫女姫様である朝武芳乃さんであり、そのきっかけが伝説の刀『叢雨丸』らしいのだ。詳しい話はその朝武芳乃さんに聞くとしよう。
「あ、レナさん!おはようございます!」
黒髪の女の子が声をかけてきた。買い物をして来たのだろうか…ビニール袋を持っている
「Oh!茉子!ちょうど良かったです!」
「その方々は?」
「観光に来られた方々で、『叢雨丸』を見に来られたのです。穂織を案内して、今から建実神社に向かう途中でした〜。それから芳乃にも会ってみたらと思って」
「そうなんですね!ようこそ!穂織へ!私は常陸茉子と言います!建実神社で、芳乃様の身の回りのお世話と護衛役をしています!」
「護衛役……とは?」
私はすごく疑問に思い、聞いてみた
「あ、芳乃様を祟りから守る役目を担っていました。私これでも忍者、くノ一ですから〜」
茉子さんは「エヘン!」という感じで答えた
「く、くノ一!?」
こんな時代にもくノ一が存在するのか!まさに古き良き街ならでわだな…
「あ、自己紹介が遅れたな。私は二条院羽月だ!茉子さんよろしく!」
「私は三司あやせと申します!」
「お二人ともよろしくお願いします!それにしても…」
なぜか茉子さんが私の顔をまじまじと見始めた
「二条院さんって……どこか芳乃様に似ているような……」
「Oh!茉子もそう思いますか!」
「ホントなのだろうか?さらに気なって来たが…」
護衛役をしている茉子さんが言うんだったら間違いないのだろうが……
「ええ…どこかはハッキリしないですが…」
その言葉を聞き、さらに芳乃さんに会うのが楽しみになってきた…
「茉子、芳乃は神社に居ますか?」
「ええ!お務めを終えて、今は境内の掃除をされていると思います。」
「では参りましょう!建実神社へ…」
私たちは茉子さんに付いていく。巫女姫様である芳乃さん……会うのが楽しみだ!!
〘つづく〙