イスラエルの感染状況が大きく悪化しているようです。先月の時点では2回接種完了者の感染予防効果は3割程度まで低下した一方で重症予防効果は依然高い水準に保たれているという結果でした。最新の報告では残念ながら重症予防効果が5割まで低下しています。
ワクチンへの期待であった"感染は防げなくとも重症化は防げる"といった点も怪しくなってきています。イスラエル政府はADEについて分かっているから3回目のブースターショットを急いでいるのでしょうか?
ワクチン接種で生成される抗体には
1.ウイルスを排除する中和抗体
2.存在すると症状を悪化させる感染増強抗体
の2種類があります。
当初は中和抗体が一年くらい続くのではと期待する研究結果もありましたが、最近の日本での
接種者追跡調査で3か月で特に高齢者の抗体レベルが下がり(30代以下の半分程度のレベル)
喫煙者の中和抗体のレベルはさらに半減する事が分かってきています。
中和抗体がある水準より低下してくると、感染増強抗体の影響が見えるようになってきて、ワクチン接種者の方がむしろ感染しやすくまた重症化もしやすくなるという傾向が現れてきます。イスラエルで起きている傾向は恐らく日本でも今後確認されるようになるでしょう。
ワクチン接種してしまった方は中和抗体が危険水準に入る前に再接種しなくてはならないのですが、恐らく感染増強抗体も産生されるかと思います。感染増強抗体を誘導しないワクチンの開発が重要と大阪大学の先生がプレスリリースを出していらっしゃるので皆様も是非御一読下さい。