「銀河鉄道の夜」という宮沢賢治の童話があります。
あれは、何が幸せなのかという問いだと思います。
この日、恭子は以前住んでいた街へと向かっていました。
瀬戸電、なつかしい‥
これで通勤していた頃がありました。
終点の尾張瀬戸です。
もう何年も前の出来事‥
その思い出を、恭子は辿っていました。
あの頃は、瀬戸の商店街も賑やかで、幾つもの映画館が営業していました。
駅の二階では、ステーション食堂も営業していた頃がありました。
あの当時の恭子は、もうパッと見て、女性ではない事が分かる 天ぷら女装で、街を歩けるようなレベルではありませんでした。
それでも、薄暗いピンク映画館の中では、需要がありました。
館内で、娼婦のようなアイラインを引いて、口紅を塗り‥
そして、銀河鉄道に乗り込みました。
失ったものと引き換えに学んだこと‥
人は、ふたつの人生って歩めないのです。
でもこの時、「恭子」という別の人生が、生まれていたのです。
この駅に立ち、それを思い出していました。
恭子も瀬戸物祭りは、何度か行きました。
尾張瀬戸駅は、大正建築なので老朽化のため、やむなく駅舎が変わってしまいました。
瀬戸川の両岸も、時代と共に古民家が撤去され、ビルに代わってゆきました。
駅から深川神社まで歩くと、おっしゃるように街の様子が変わってしまいました。
深川商店街(アーケード街)は、さびれていますが少し昔の情緒が残っています。
若い頃、瀬戸物祭りへ行っていました。
尾張瀬戸駅、これでしたよね。
近年行った際、駅舎が変わっていてがっかりしました。
もっとも周辺の町の様子も変わっていて、ここはどこ?状態でした💦
瀬戸電とか愛環鉄道ってマイナーなんですけど好きです。
尾張瀬戸駅は丸い屋根を持つ大正建築で、瓦屋根の愛知県庁(昭和建築)、天皇御大典事業として建設された名古屋市庁舎(昭和建築)と並んで歴史的建造物だと思います。
いまだに、こんな駅舎がって…
令和には、ミスマッチだけど。
流石、恭子の、目の付け所は…