JR豊後森駅前を西から東に通り過ぎ、二つ目の四つ角を右折すると踏み切りがある・・一旦停車後、その踏切を渡ると広大な敷地に出た・・
その敷地内に車を止め車外に出ると、懐かしいアブラの匂いが辺り一面漂っていた。それも其の筈で、右手には山のように積まれた「枕木」があった。左手にはこれまた巨大な廃屋が・・近づくと「機関庫跡」だ~
そう、この広大な敷地は旧国鉄時代の「豊後森機関区」跡だ。 因みに、『機関区』とは機関車を扱う「車両基地」を意味し、旧国鉄時代の機関車全盛期にはこの『機関区』は全国各地に有ったそうだ。
幼い頃絵本や写真で見るくらいで、実物の機関庫を見るのは之が初めてだった。何だか子供の頃は「SF」に出てくる秘密基地に思えて~とてもカッコよく見えたもの・・
勿論、写真を通してのイメージだ・・・扇型に建設された建物には、12の格納庫(整備・点検も行う)が有り、一番右端はオフィス兼準備室かな?
建物前には、その扇形に合わせるように丸い円があり、この円の中は「転車台」だ。SLの出し入れをする際、この「転車台」で方向転換をするわけだ。
この「転車台」も随分朽ち果てており・・周りを見渡せばこの敷地内の「線路」と「枕木」は全て撤去されていた。この広大な敷地に巨大な朽ち果てた「廃屋」。ガラスは割れ塗装も剥げ落ち見る影もない。
この様子を見て正直、「ロマン」や「風情」と言った、言葉だけでは語り尽くせない・・何だか少し・・切ない思いで一杯になった。