miao的 ぶろぐ(ってば>照)

 生業:打楽器奏者 ”みゃお助”のぼやき、旅、お気に入り、猫、そして時々音楽のこと(笑)etc 

☆ あっという間の10日間と花粉症再び・・・

2008-03-09 | 【music】
ふだんから、現地の音楽家はこんな生活しているんだろうか???つうくらい、はちゃめちゃです。 
メンバーは、よく練習し、よく食べ、よく遊ぶ。
オーケストラは非常に忙しいスケジュールのため、生活のすべてに勢いがあり、ものすごいスピードでこなさないと、やりきれないくらいです。


まずお仕事・・・思いの他?・・・リハーサルは、非常にインテンシブで、質の高いものでした。

ここ、ソウル・フィルハーモニックの首席打楽器奏者である友人が、初めてこの楽団にきたときは約3年前。
正直言って、『プロ・オケ』というには、あまりにもお粗末だったと語るも、その後、チョン・ミュンフンが音楽監督として、オケ運営の大きな権力を預けられてから、オーケストラは劇的に変貌し、いまや韓国に於いても、おそらく実力、人気、そして経済的な後ろ盾(スポンサー)も一番恵まれているのではないかと思います。この3年の間に、そう改革されてきたわけです。


私の滞在中、新大統領の就任式などの絡みや、その前の週は、二箇所のソウル市内の別の場所での演奏会(ひとつは、チャイ4メイン、もうひとつはマーラー1番メインで連日続いた)などもあり、当初予定されていたトゥランガリーラのリハは、初日が急遽キャンセルになり、結果リハは3日+GP 本番となった。

初日のリハから、オケはものすごい勢いがあり、非常に順調に進んでいった。
難曲で大曲、だからこそ余計にメンバーそれぞれが、ものすごく準備をして臨んだようである。
リハは、いつも30分ほど早めに切り上げて終了となり、その後には、テレビ取材のインタビュー・セッションが団員などに対して入ったりした。
リハも収録されて、ひとつの番組を作っているようだった。(放映されるなら是非観たい!)打楽器セクションも、クローズアップされて収録された。

私たち、セクションは、3人のアメリカ人、2人の日本人、1人のフランス人、そして現地の5人の韓国人という、もっとも国際色ゆたかで、また平均年齢も一番若いセクションとなった。

ゲストのほとんどは、初日リハの2日前には韓国入りしていたのもあって、全体リハが始まる前に、自主的にセクションリハなどをおこなったり出来て、お互いいろいろと意見交換をしたりなど、とても有意義な時間を過ごした。
11人の打楽器奏者、全員がこの曲が初めてだったので、非常に神経質に予習してきていた。

ここの「シェフ」は、非常に厳しい人だと聞いていた
私たちゲストで来たのに、役目を果たせずに途中強制帰国では、しゃれにならない(実際ありえるだろう???とも予測)と、とても緊張していた。
しかし、実際のリハでは、JOKEなども飛んで笑いもでたりとおもえば、しかしその後はビシっとしまるところなんぞは気迫もすごいものがあり、そしてリハの組み立て方は非常に能率的だったと感じた。

なので、少ないリハだったかもしれないが、結果、いい緊張感があって、仕上がりも上々・・・よかったと思う。


そのリハが終わると、みんなでご飯に出かけて、韓国料理屋さんで、ガッツリ食べた後、わたしの滞在させてもらっている友達の家(たまり場=社交の場??)で、任天堂Wiiのテニスゲームをするのがお決まりのパターン。

それと、もうひとつの日課?が、『今日のヒラリークリントン発言』のチェック
YouTubeなどで、CNNニュースやトーク番組をチェックし、みんなであ~のこーの、言い合う。


さて、コンサート当日
私たちは、熱狂的な拍手を受けた。
曲は一時間半近くもある長さだが、休憩を入れずに一気に演奏される。
10楽章まである。
長いと思っていた曲は、コンサートではあっという間だったように思う。
シェフが、セクションを指差し、それぞれをたたせて聴衆から拍手を受ける。
最後に、打楽器群に立つように指示が来ると、会場は一段と大きな拍手と歓声で包まれた。一緒に演奏したメンバーからも、たくさんの拍手をもらった。

ものすごく、充実した!と感じた瞬間・・・

だから、音楽家はやめれません・・・・
この、演奏以外では得られない、特殊なこの空気というか・・・充実感が、私には非常に魅力がある・・・。

そして・・・韓国のお客さんは、熱狂的に自分たちの意思を表現する。
スタンディングオベーションも、拍手も、歓声も。
自分がいいと思ったことはすぐに行動で示す。
それが、ダイレクトに感じれるのが、すごくうれしい。

このコンサートホールは、サントリーホールのP席のような部分もあり、お客さんは私たちの後ろや横にもびっしりいた。彼らは、私たちが退場するまで、ずっと拍手をしてくれていた。

もっともっと、いい演奏をしたい。
もっともっと、がんばらなくては。勉強しなくては!と思った。

と、同時に、この数日間(譜面を頂いて実に2週間)毎日のようにこの曲に取りんだ緊張感が一気に抜け落ちた感じがした~リリーフというのか・・・?安堵感?

また居候先の友人は、夜中に寝言で「リハーサルここからはじめよう」、とか「そこがそこし早いよ~どうのこうの~」というほどまでになっていて、かなり根をつめていた(友達は二ヶ月もこの曲をさらっていたので、ほぼ暗譜していたようだった。ちなみに第一グロッケンのパート(難)
演奏会終わった夜には、もう、その寝言は、聞かれることはなかった。

10日間の滞在の間に、
韓国では新しい大統領が就任し、
北朝鮮では、ニューヨークフィルハーモニックが、初のアメリカのオーケストラとして演奏会を行った。
それを私たちは、LIVEで観た。

歴史的な出来事が、丁度重なった、10日間であった。


そして、日本に帰国し・・・
さっそく、花粉症の再発・・・
苦しい季節の始まりです・・・

ああ・・・ソウルの生活に戻りたい・・・???!!!
あの辛い食事も、連日氷点下だった気候も・・・なんだか急に懐かしい(笑)

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4 Comments

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まさに、そうですねえ (みゃお助@管理人)
2008-03-16 23:52:50
おいのさま>そうです、ピアノパート、鬼のように難しかったようです (今回は、韓国人のピアニストでメシアン研修者の男性が弾いてました。大変そうだった・・・。

世界平和・・・そうですね
テーマは「愛」だそうですからね・・・

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Unknown (おいの)
2008-03-11 11:33:41
おつかれさま~。 いいな~ソウル行きたいな~。。。

”とぅ~らんがりら”やったんですね~。。。 あれはピアノも地獄のように大変です。。。 (おいらはもちろん弾いたこと無いけど。。。 ^^;)。 でもきっとどのパートもむちゃくちゃ大変だと思う。。。 でもそんだけすさまじい音の渦の中にすごい一体感があって世界平和に貢献してるようで(え? ^^;)、いい曲ですよね~。終わったときの達成感が伝わってきます~。
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おおお! (みゃお助@管理人)
2008-03-10 20:17:04
sonoko様>いつも気にかけてくれててありがとう!うん
sonoko様のおうちでご飯食べているときには、まだOfferが繰るかどうかわかんなかったときで、その翌日に決まった話だったよね。
どこの外国オケに行っても思うんだけど、本当にこういう機会は恵まれていると思うし、私は、行く先々で、本当にいい思いをしているとおもうよ~感謝感謝の日々です。
また、これからもがんばろうと思う日々です。

帰ってきたら、またかまってください~
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行ってよかったね! (sonoko)
2008-03-10 11:37:18
友達のうちでブログチェックしたよ。
演奏旅行の様子がすごくよく伝わったよ!行ってよかったね。
芸術関係の人たちは、人に感動を与えられるし、自分も観客から力もらえるから、本当にいいなぁと思う。
また韓国にもどって演奏できるといいね。
それだけ成功したなら、また声かけてもらえると思うよ。

花粉症、大変だね。おだいじに。
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