ナチス・ドイツ占領下にあるフランスの田舎町を舞台に、出征した夫の帰還を待つ音楽好きのフランス人女性・リュシルと元作曲家のドイツ軍中尉・ブルーノが音楽を通じて互いにかけがえのない存在となる禁断の恋を描いた映画『フランス組曲』 (1/10)
渋谷と芸能界を舞台に、夭折したカリスマ的人気俳優・白木蓮吾と彼の半生を綴った本の出版が反響を呼び、しがないエキストラから一躍時の人となった大親友・河田大貴の葛藤とすれ違いを描いた映画『ピンクとグレー』 (1/30)
両者を取り持つのは、音楽―
結末に納得がいかず、がっかりしたことも共通している
ドイツ軍に追われる殺人犯の農夫を匿い、パリへの逃亡を手助けする前者
狭く閉ざされた世界で生きていた女性が、自立して“自由”へと開眼していく姿は悪くはないが、何故かちょっと違う気がして、素直に喜べなかった
親友の死の真相に辿り着き、哀しみの中にも“生”と向き合う後者
原作を知っているだけに尚更歯痒く、原作の大幅な翻案、小説にない筋書は却って薄っぺらな印象を残した
オニアンコウになりたいと願っていた蓮吾の憧れにも似た姉への想い
舞台での(意図的?)落下事故により踊れなくなったことから、死を選択した姉の遺言―
そしてわたしはやるしかないの やらないなんてないからね
蓮吾のオリジナル曲「Phalaenopsis(胡蝶蘭)」
学祭で披露したこの曲はどこか抽象的ながらも姉への恋慕が垣間見える、この作品の象徴的なナンバーだと思えてならない
27年と139日後、
ある一冊の本を読んで知る
ファレノプシスは胡蝶蘭と
聞きたいけれど もう聞けない
ピンクの胡蝶蘭の花言葉―
「あなたを愛してます」
ピンクとグレー
何とも意味深なタイトルに惹かれて購入した、半年前―
姉と蓮吾、そして大貴
やるせない
けれども、忘れられない一冊となった
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