皆さんは秋をいかがお過ごしでしょうか?
感染者も減り、終息に向かうことを祈るばかりです。
この度9月のリサイタルのご批評を『音楽の友』2021.11月号に載せて頂きました。
Colorsと題したリサイタルも
コロナ禍で10回目の公演を迎え、皆さまの温かい応援のもと無事に終演しました。
大変光栄なお言葉に感謝し、次回に向けて更に精進して参りたいと思います。
ご批評記事
萩原みか S
9月20日・ルーテル市ヶ谷センター
●藤井麻理(P)、向井理絵(fl)
さまざまな色合いの歌を歌いあげていくという趣旨から、
『Colors』と題された萩原みかのリサイタル・シリーズが、コロナ禍の試練を乗り越えて第10回を迎えた。
萩原はオペラの舞台経験も積んでいる人だけに、ヴォルフ歌曲ではリアリティのある表現力を発揮して作品の持つ演劇的要素を満たし、テキストに歌われている世界を聴き手の目の当たりに現出してみせる。
藤井麻理のピアノも生き生きとしていて精彩に富み、描写的効果を発揮していた。
R.シュトラウスの歌曲では、この作曲家独特の流麗甘美な旋律はもとより、洗練された詩情や光に満ちた色彩感を表出してシュトラウス歌曲を聴く喜びを堪能させてくれた。
武満歌曲は作曲家本人のテキストによる≪翼≫≪小さな空≫というよく耳にする作品からも改めて妙味を味わったが、荒木一郎作詞の≪めぐり逢い≫、五木寛之作詞の≪燃える秋≫がことのほか面白く聴けた。それも萩原の聴き手を曲の世界へ誘う力の賜物だろう。
岩河智子の編作になる一連の日本歌曲には、麻薬の如き妖しい魅力がある。それをときに浄化し、ときに亢進する歌唱力に、向井理絵アレンジのフルート・オブリガートの効果が相まって、お馴染みの日本歌曲が常ならぬ光彩を放っていた。●萩谷由喜子
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