セミの鳴き声は原則として種ごとに決まっている

数えきれないほどセミを調べてわかった「中国のセミは鳴くのがヘタ」

中には1時間鳴き続けるセミもいる

筆者が日本と中国の野生生物の比較調査を始めてから、30年余が経ちます。これまでの記事でもお伝えしてきたとおり、中国の険しい奥地や、観光客が決して行かないような場所ばかり訪れてきたのですが、そのたびに中国の人々のあまりのデタラメさに悩まされてきました。

それとこれとは関係ないとは思うのですが、日中の自然を比較してみて気になるのが、日本のセミに比べて、中国のセミは「鳴くのがヘタ」ということです。

セミの鳴き声は原則として種ごとに決まっていて、地域的な変異がある場合でも、それは後天的なものではなく遺伝的な形質です

ツクツクボウシは鳴き声によって3つの集団に分けることができます。

冒頭で「日本のセミは鳴くのが上手で、中国のセミはヘタ」と述べました。ただこれは、あくまで日本語の感覚でそう感じるだけであって、中国語話者からすれば、中国のセミのほうが案外、上手に聞こえたりするのかもしれません。

例えば鳥のウグイスにしても、中国のウグイスは「ホーホケキョ」ではなく「ホーホヘヒョ」と聞こえ、私の感覚では間が抜けて感じます。しかし、中国語の感覚では、むしろしっくりくるのかもしれません

 

中国から帰化したセミが増えている

ただ残念なことに、筆者は学者ではありませんから、上記のような記録は単行本や新聞、雑誌などで発表してはきたものの、未だほとんどが無視されたままで、正式な「学術文獻」としては扱われていません。国や行政や学術機関を通して、査読を受けた論文でなければ「文獻」としては認められないわけです。

日本の生物を国外産と比較することは、日本の自然の本質を知るために最も重要なことのひとつだと、筆者は考えています。でも、国家間の暗黙の了解事項や、学会内部、研究機関内部の暗黙のルールなど、個人が簡単に調べたり発表することをよしとしない、「見えない壁」があるとずっと感じてきました。そのせいかどうか、従来の見方を覆すような研究には、誰も積極的に取り組もうとしない…。

表面的な調査や、「いかにも」学術的な統計を発表することに終始していては、学術上の権威は守られても、対象の実態にはいつまで経っても迫れないと筆者は考えています

行方不明になった人を、手続きに則った人海戦術で見つけられない日本の行政も、どこか似ているような気がします

「ルールさえ守っていれば、他は知ったことではない」日本か、「ルールは全く守らないが『見かけ』は何よりも大事にする」中国か


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