常任理事国は国連総会に対して拒否権がないが、5つの常任理事国はこの事実を隠そうとする。
株主総会で決議すれば社長や重役が解任されるのと同じです



ロシア軍の不始末

ロシア軍がウクライナに侵攻して40日が経ち、各地で敗走を重ねているが話は意外な方向へと進んでいる。

古来から戦(いくさ)上手は負け上手で、打撃を受けずに素早く退くのが、兵法の達人とされている、

戦国時代越後の上杉謙信は「生涯百数十回戦い負けを知らず」とされるが、その実態は「負ける前に察知し軍を引いた」のが正しい。

 
川中島の合戦(4回目)もそのままとどまっていたら兵力の差と地の利で負けたと思うが、有利な時だけ戦い不利と見るや引き上げた。

信長、秀吉、家康、信玄も引き方負け方がうまく、負けているのに気付かず「おれは勝っている」など言っていたら討ち取られてしまう。

プーチンは戦争指導者としてうまく無く、その戦い方はヒトラーを連想させるが、少なくとも当時のドイツは前半は連勝していた。


プーチンというかロシア、ソ連が最後に戦争に勝ったのは第二次世界大戦、間接的には朝鮮戦争とベトナムで部分的勝利を得た。

今回のウクライナ侵攻で威勢が良かったのは2022年2月24日の初日だけで、キエフ近郊のアントノフ国際空港を占拠したが何度か撃退された。

ロシア軍は単調な攻撃で空港を占拠するが、すぐにウクライナ軍に奪い返されるのを何度も繰り返し消耗した。


侵攻1か月後の3月25日ごろになるとロシア軍の劣勢は明らかになり、4月初めまでにキエフ周辺から撤退を始め、ブチャという街からいなくなった。

ロシア軍が居なくなったブチャの町には”少なく見ても”数百人分の民間人がなくなり放置されていました。

キエフ、チェルニヒウ、スムイ各州の村々でロシア軍が撤退した後には、それぞれ数百人分が路上や地下室に放置されていた。



世論はロシアの常任安保理除名へ

ロシア軍は発覚をおそれて隠そうとした痕跡があり、実際にはそれぞれの町で数百人ではなく、千人以上の民間人がなくなった可能性がある。

これがSNSで写真や動画つきで世界中に拡散されると、ロシアの戦争犯罪を裁くべきだという世論が高まった。

一方ロシア政府やメディアは「ウクライナや欧米のフェイクニュース」だと国内で報道している。


ウクライナのゼレンスキー大統領は、4月5日に国連安全保障理事会で演説するが書いている時点ではまだ演説していない。

おそらくロシアの非を訴えてウクライナへの支援を要請すると思われるが、安保理常任理事国には拒否権があるので、ロシアが反対すると何かが議決されることは無い。

安保理はロシアへの非難決議や停戦勧告、犯罪調査などを議決しようとするが、ロシアは拒否権を発動します。


すると世界中の世論は「ロシアを常任理事国から除名するべきだ」と騒ぎ、あるいは「常任理事国の拒否権を無くすべきだ」と考えるでしょう。

そして安保理除名や安保理改革が、実はたった1回の簡単な手続きで可能な事も、やがて世界中の人たちが知る所となります

国連の安保理は総会の下に位置する専門理事会で、総会で安保問題を議決した場合拒否権はありません。


仮に国連総会で「ロシアを空爆する」決議が多数決でされた場合、常任理事国であっても拒否権はありません。

実際にはそんな決議はされないが、安保理から除名する決議案が数十か国の連盟で提案された場合、総会で多数決を取ります。

多数決を取る時に出席した国だけで採決を取り、棄権した国を除く多数決で決まります。


例えば半分ほどの国が棄権し100か国で採決を取り、51か国がロシアの常任理事国除名に賛成すると、その瞬間からロシアは常任理事国ではなくなります。

常任安保理の5か国にとってこれは不都合なので、「そんな事は国連の制度上できない」ように隠そうとします。
 
でもこれが事実です