キルギス日本人拉致事件で消えた300万ドルの身代金

佐藤優
キルギス日本人拉致事件で消えた300万ドルの身代金 

実は、このとき、ナマンガニとのルートをもつ、ある人物を通じ、人質解放についてテロリスト側とほぼ合意ができていた。しかし、キルギス側に身代金が支払われたという情報がナマンガニ側に聞こえ、人質解放の話は立ち消えになった。その結果、一時、日本人人質が殺害されそうになったことすらある。

当時、日本外務省は、キルギスは中央アジアのスイス、民主主義の先進国で、アカーエフ大統領(当時)は、民主的信念をもった高潔な指導者であると宣伝していた。しかし、2005年3月、議会選挙の不正を発端にチューリップ革命が起き、アカーエフは大統領の座を追われた。日本人人質事件の身代金がアカーエフ側近が着服したという噂が流れていたが、キルギス議会の証言という公式の場で確認されたことは初めてである。

この機会に、鈴木宗男氏、原田親仁氏(現外務省欧州局長)、松田邦紀氏(現駐イスラエル日本大使館公使)など当時のオペレーションに関与した責任者を国会に参考人招致して、真相を究明する必要がある。そうすれば、この人質解放オペレーションにおける外務省の対応がいかにいい加減で、特にビシュケク(キルギスの首都)の現地対策本部にいた原田氏、松田氏などの外務官僚が、ろくな仕事もせずに公費で連日、飲み食いしていた姿が明らかになる。消えた300万ドルは国民の税金だ。誤った判断をした外務官僚にきちんと責任を取らせなくてはならない
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