「創価学会・公明党」に衝撃 矢野絢也氏に「叙勲」の動き

週刊文春
「創価学会・公明党」に衝撃 矢野絢也氏に「叙勲」の動き
衆院選の小選挙区で全敗し、自民党より深刻な「解党的出直し」を迫られている公明党。選挙後、自公連立時代の評価を巡って、新旧執行部間の内輪もめまでさらけ出したが、さらに新たな試練が迫っている。あろうことか、支持母体の創価学会が「仏敵」と攻撃してきた矢野絢也元委員長への叙勲を、民主党の有力議員が、内閣府に働きかけているのだ。
 
 勲章について、公明党には苦い前例がある。矢野氏の前任の公明党委員長だった竹入義勝氏とのいきさつだ。
 
 草創期の公明党で二十年近くトップを務めた竹入氏は政界引退後、数年間は沈黙を守っていたが、一九九六年に勲一等旭日大綬章を受章したのを機に、朝日新聞で回顧録を連載。公明党と創価学会の政教一致の実態を赤裸々に暴露した。
 
 以来十年間、創価学会機関紙「聖教新聞」は、竹入氏を「党の金を横領して妻に高価な指輪を買い与えた」と中傷。「必ず仏罰が下る」などと大々的な攻撃を展開したが、昨年、東京地裁で「横領はなかった」との判決が出され、年末には東京高裁で「以後、互いを誹謗(ひぼう)しない」との条件で和解した。事実上、創価学会側の完敗である。
 
 矢野氏とも数年前から敵対関係に突入。「公明党元国会議員らが矢野氏の自宅に上がり込んで手帳を持ち去った」などの奇怪な出来事を巡り訴訟の応酬となった挙げ句、今年九月一日、最高裁は矢野氏勝訴の判決を下した。創価学会は二度までも、元党幹部の「仏敵」に敗れてしまったのだ。
 
 秋谷栄之助氏が会長の時代は、創価学会は矢野氏との関係を上手にコントロールしていた。「ところが数年前、体調を崩し入院していた池田大作名誉会長が退院後、自分が不在でも問題なく組織が運営されていたことで、秋谷氏を遠ざけるように。そして池田氏に追従する幹部たちが矢野問題を荒立ててからおかしくなった」(学会幹部)
 
 秋谷氏は〇六年に会長を解任された。「後任の原田稔会長は選挙実務に疎(うと)く、実質的に池田氏が采配している」(同前)が、公明党の比例区の得票数は、秋谷会長時代の〇五年衆院選(八百九十八万票)をピークに凋落の一途。衆院選の惨敗は、「池田神話」の崩壊とも言えるのだ。
 
 そこへ、矢野氏に勲章まで授与されるとなれば……。「仏罰論」の矛先は、今や創価学会・公明党自身に向かいかねない雲行きとなっている。
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