高齢の父親から生まれた子は知能が低い ?

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高齢の父親から生まれた子は知能が低い

高齢の父親から生まれた子は、若い父親から生まれた子に比べ、知能がわずかに低いことがオーストラリアの研究者により明らかにされ、医学誌「PLoS Medicine」3月号オンライン版に掲載された。

専門家によると、高齢で父親になるリスクとしては、小児期のIQ検査の成績が低いなどの小さいものから、統合失調症や自閉症のリスク増大のような重大なものまであるという。その理由の一つは、男性の精子が年齢とともに突然変異の積み重ねによって変化するためではないかと、研究を率いたオーストラリア、クイーンズランド脳研究所(ブリズベン)のJohn McGrath博士は述べている。

今回の研究では、1959~1965年に出生した米国の小児3万3,000人のデータ(U.S. Collaborative Perinatal Project)を収集。このデータには生後8カ月、4歳および7歳時の認知検査の結果が含まれ、感覚識別および手と眼の協調、概念および身体的協調のほか、7歳時での読書力、計算力のデータも含まれていた。さらに、世帯収入などの社会経済学的因子についても考慮した結果、父親の年齢が高いほど身体的協調を除くあらゆる検査の成績が低いことが判明。例えば、20歳の男性から生まれた子どもは標準IQ検査の平均点が106.8ポイントであったのに対し、50歳の男性から生まれた子どもは平均100.7ポイントであった。

一方、母親の年齢に基づく評価も実施したところ、母親が高齢であるほど認知検査の成績は高かったという。この結果には、遺伝的因子と社会的因子がともに働いている可能性があるとMcGrath氏は述べている。母親の卵子は母親が誕生する前に形成され、DNAが安定化しているのに対し、精子は男性の生涯にわたって産生されるため、歳を取れば取るほど精子に遺伝子変異を伴うことが示唆される。母親の高齢出産によるリスクは昔から強調されているが、父親が高齢でも子に悪影響はないとの印象がもたれており、この認識を修正する必要があると専門家は指摘している

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