斎藤吉久
イスラム移民に揺れるフランス共和制
公共の場からすべての宗教を排除し、私的空間では信仰の自由を保障するのがフランス流の政教分離です。このため19世紀後半には公立学校での宗教教育は禁止され、教室からキリスト像が撤去され、聖職者は教壇から追われました。20世紀になると、公認宗教に対して公金を支出してきた制度が廃止され、国家の宗教的中立性が徹底されます。
一方、清教徒たちによって建国されたという神話をもつアメリカは、国家と宗教ではなく、国家と教会を分離するゆるやかな政教分離主義を国是とし、大統領の葬儀も新大統領の就任式も「全国民のための教会」と呼ばれる大聖堂で行われています。
移民を徹底的に同化し、国民として受け入れてきたフランスですが、人口6400万人のうち、イスラム教徒は500万人にふくれ上がっています。否応なしにイスラム文化が流入し、千人以上を収容する巨大モスクがあちこちに林立しています。「カトリックの長女」と呼ばれたフランスは、モザイク国家に変わったのです
政教分離といっても アメリカと フランスでは違う
なにごとも いいかげんな日本では 問題にならないようなことが
争点になる 国もある いや それが普通の国?