この梅雨の時期に悪化しやすくなる、関節の痛みについてです。 関節痛の中でも、近年増えているのが、指に激痛が走る『ヘバーデン結節』と呼ばれる症状です。
【写真】日常生活に様々な支障「ヘバーデン結節」の症状■「ヘバーデン結節」梅雨の時期“痛み”の声
ジメジメした梅雨の季節に、関節の痛みが強まります。
60代女性「湿気が多いと、全身の関節が痛くなる。立ったり座ったりがきつい」76歳の男性
「ひざの痛みがつらい。ひどくなると、どこにも出かけられなくなる」70代女性
「庭の手入れをしていると、指先が痛くなる」オクノクリニック・奥野祐次 総院長
「梅雨になると、低気圧で関節の中の圧力が高まり、関節痛の相談が増える。なかでも近年、症状が多くみられるのが『へバーデン結節』」
「国内の患者数は、推定300万人。当院では過去3年間で、4299人が『へバーデン結節』と診断。40代以上が約99%を占めている」
『へバーデン結節』とは、指の第1関節の軟骨がすり減り、関節の変形・腫れなどを引き起こす病気です。
初期でもこれだけの腫れです。進行すると、腫れに変形が加わってきます。
原因は、『モヤモヤ血管』です。 加齢やホルモンバランスの変化によって増えてしまう異常な血管で、これが、炎症や痛みの原因にもなります。
この『モヤモヤ血管』が増えると、血管から水や線維が漏れて、赤く腫れ出します。 その後、周りの神経も過敏になって痛みも発生。 『へバーデン結節』を発症します。
『へバーデン結節』を発症しやすい人は、手をよく使う人、その職業の人です。 主婦・楽器演奏者・美容師・パソコン作業・介護職・電気工事などです。
オクノクリニック・奥野祐次 総院長「最近は、スマホの触りすぎによる発症も増えている」
特に注意が必要なのが、40歳以上の女性です。 なぜでしょうか。
女性ホルモンの一種である『エストロゲン』が関係しています。
エストロゲンは、関節を包む滑膜の炎症・腫れを抑える役割がありますが、これが閉経する前後の40~50代で急激に減少します。
エストロゲンの分泌量が減少すると、炎症や腫れが常態化して、『へバーデン結節』を発症するリスクがあります。
タレントのキャシー中島さんは、『ヘバーデン結節』と20年以上闘っています。
キャシーさんは、若い頃、20歳前後には「白魚のような指だね」と言われ、指輪のモデルも経験しました。 27歳頃の写真では、指に異変は見られません。
しかし、ここ最近は、指の第一関節が腫れ、中指は小指の方に傾いています。 親指にも水ぶくれのようなものができています。
キャシーさんの最初の異変は、45歳頃でした。右手の小指の第一関節が腫れました。 47歳頃、同じ右手の人差し指の第一関節も腫れたため、リウマチを疑い、病院で検査を受けましたが、「異常なし」という診断でした。
その後、50代に入り、閉経を迎える頃には、ほかの指にも痛みが出てきて、缶詰のふたが開けられない、トイレでズボンが上げられないなど、日常生活にも支障が出てきました。
57歳ごろ、初めて整形外科を受診すると、そこで『ヘバーデン結節』と診断されました。
『ヘバーデン結節』になると、日常生活に様々な支障が出てきます。
●箸・ペンが持てない
●髪を洗えない
●ペットボトルのふたが開けられない
●財布から小銭を出せない
●キーボードや携帯電話の操作ができない
●レジ袋が持てない
キャシーさんが『ヘバーデン結節』だと分かった、約15年前は、医師から、 「老化現象の1つ。根本的な治療法はありません」と言われて、痛み止めの内服薬などの対症療法にとどまっていたということです。
その後、キャシーさんに転機が訪れます。
「65歳を過ぎた頃に、SNSで、ヘバーデン結節であることを公表した。すると、ファンから『エクオール』を教えてもらい、摂取すると痛みが緩和した」ということです。
「『エクオール』は、大豆イソフラボンから作られる成分。体内で、女性ホルモンの『エストロゲン』に似た働きをすることから、症状の緩和が期待される」