威信をなくした国家はトランプのピラミッドのように脆い
欧米がウイグルで中国制裁一致
国際社会では表面上争いを避けるのが恒例で、対立があったとしても上辺は笑いながら握手する。
だが最近欧米国家は中国に対して上面の微笑外交をやめ、中国を制裁するといっている。
数年前は考えられなかった事で、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツは中国にひれ伏していました。
ウイグルやチベット問題は当時から知られていたが、欧米諸国は「お金が貰えるならいくらでも弾圧して結構ですよ」という態度を取っていました。
金の為なら平気で人道を捨てたような連中が急に人権主義に目覚めるのは、何か裏があるに違いないと思います。
例えば欧米人はクジラを食べたり犬を食べるのに厳しいが、馬やカンガルーやビーバーについては何も言わない。
競馬は先進国お気に入りの競技だが、イギリスやフランスやドイツでも使い終わった馬をソーセージやドッグフードに混ぜています。
アメリカ人はビーバーを食べているしオーストラリアではカンガルーやワニを食べていてコアラだけ保護しています。
こんな風に欧米人が人道者ヅラをしたときは、裏で必ず何かをしているのです。
過去数回のサミットではアメリカが対中制裁を主張したが必ず欧州は反対し、特にドイツは中国側に立ってアメリカに抵抗した。
ドイツは輸出依存度が高く中国への輸出が多いので、中国の意を受けてアメリカに抵抗したのでした。
だが2021年3月17日、EUはウイグルでの人権侵害を理由に中国に制裁を科すことで一致したと発表した。
アメリカは中国版プラザ合意で攻める
EUが対中制裁を実施するのは1989年の天安門事件以来で、ドイツもついに折れて制裁に合意したようです。
EUで対中制裁を強硬に主張していたのはフランスで、フランスは貿易赤字で国際収支も赤字で中国の輸出で損失を受けている。
フランスとしては中国なんぞ潰れた方が良いわけで、ドイツ以外のEUは貿易赤字なのでフランスに近い立場です。
日本はというと安倍首相は「金のためならウイグル人など好きにして下さい」という態度を取り中国に自動車を買ってもらおうとゴマを擦っていた。
だが日本は安全保障をアメリカに依存しているので、対中制裁を呼びかけるアメリカに「仕方なく付き合っている」というポーズを取っていた。
こんな連中がある日人道に目覚めてウイグル人の為に中国と戦うなんて、金輪際ありえません。
アジアではアメリカが中心に日米豪印4か国のクアッドが招集され首脳会議を主催した。
これで思い起こすのは1985年のプラザ合意で、日本の輸出攻勢に頭を抱えたレーガン大統領は「そうだ日本を殴りつけよう」と思いついた。
1985年9月22日の日曜日に突然竹下蔵相がニューヨークに呼び出され、先進5か国 (G5)蔵相会議で超円高への為替誘導を命令された
北京五輪ボイコットなら中国のターニングポイント
1985年に1ドル260円だったドル円レートは1987年に1ドル120円と半分以下になり、ここから超円高とバブル景気、バブル崩壊、デフレ不況という流れが作られた。
今度の生贄は中国でアメリカは中国を潰す事に決め、アジア太平洋4か国とNATO同盟国の合意を形成した。
アメリカが戦争であれ経済であれ敵と戦う時は、必ず同盟国を集結させ連合軍として戦います。
相手がベトナムや北朝鮮のように小さく「ゾウとアリ」の戦いであっても、必ずアメリカは連合軍を集めて集団で戦う。
これがアメリカが建国以来連戦連勝を続けた秘訣で、アリを踏みつける時も仲間を集めます。
今度の相手は中国でGDPはアメリカの7割、実態としてはアメリカの半分程度だがかなり強力です。
旧ソ連の全盛期も同じくらいでソ連には同盟国が多いが、中国に同盟国はひとつも存在しない。
中国人は他人を信用しないからで、北朝鮮やロシアやパキスタン(最初に中国を承認)も同盟国ではない。
アメリカと中国の国力差が2対1として、アメリカの同盟国を含めるとおそらく10対1程度になる。
アメリカがソ連を倒す決定打になったのは1980年のモスクワ五輪ボイコットで、ソ連のアフガン侵攻に抗議して米国の同盟国すべてがボイコットした。
これでソ連の威信は崩壊し、雪崩を打つように1991年にソ連邦は解体します。
北京冬季五輪は2022年冬に開催予定ですが、これをボイコットで叩き潰せばソ連の2の舞とアメリカは考えます。
威信をなくした国家は魂を抜いた仏みたいなもので、求心力がなくなり衰退の坂道を転がり始めます