ケント氏直言「中国を祝う国などない」

そのとおり

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ケント氏直言「中国を祝う国などない」

【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】一党独裁体制で6500万人が犠牲…多くの市民の自由を奪う中国の建国70周年を祝う国などない

 中華人民共和国(PRC)は1日、建国70周年を迎えた。北京では大規模な祝賀行事や軍事パレードが開催されるなど、国内はお祝いムードだった。最高指導者の習近平国家主席は同日演説で「いかなる勢力も偉大な祖国の地位を揺るがし、中国人民の前進を妨げることはできない」などと呼びかけた。さらに軍事パレードでは、急ピッチで進めている核兵器拡散の新型核兵器を誇らしげに見せつけた。

 だが、共産党一党独裁体制が長く続いたことで、約6500万人が犠牲になったともいわれ、過去に行われた暴虐の数々を忘れてはならない。とても“祝う”という思いを抱くことはできない。

 毛沢東による大躍進政策(1958年~61年)や、文化大革命(66年~76年)、トウ小平が事実上の最高権力者だった時代の天安門事件(89年)など、中国は幾度となく言論を弾圧し、市民の自由を奪ってきた。そして現在、香港で多くの市民が犠牲となっている。

 1日には「香港に自由を」と訴えるデモ隊の若者と、警察隊が衝突し、高校2年の男子生徒(18)が警察に至近距離で実弾を撃たれ、重体となった。重体2人、負傷者66人だという。70周年のお祝いムードが終わった後は、さらに香港市民への取り締まりが厳しくなり、これまで以上に香港が危うくなるかもしれない。

 人権弾圧が続くウイグルでは、顔認証など人工知能(AI)技術がウイグル人の監視に利用されているという。中国は、ハイテク分野で世界覇権を握る国家戦略「中国製造2025」で知られるが、こうした監視社会で人々の基本的人権が守られているとは到底思えない。

 台湾にも、中国が権力を振りかざしているのが目立つ。

 9月16日にソロモン諸島が、同20日にはキリバスが、台湾との断交を決めた。いずれも太平洋に浮かぶ小国だが、短期間に2国も国交断絶するのは不可解だ。中国が掲げる「1つの中国」を認めない台湾を牽制(けんせい)する狙いがあることはいうまでもない。

 ドナルド・トランプ米大統領は、そんな共産党独裁国家による世界制覇を阻止するため、米中貿易戦争に踏み切った。単なる経済問題ではない。この姿勢には、与党・共和党だけでなく、野党・民主党やその支持者も“暗黙の支持”を与えている。

 一党独裁国家なら覇権主義であることに驚きはしないが、中国は腐敗しきっている。習氏自身、反腐敗運動を掲げていた。同じ指導者が長期間君臨し続けるため、新陳代謝ができない。これが中国に明るい未来を感じない大きな理由だろう。

 過去の過ちを反省することなく、70年間「信頼できない国家」として膨張してしまった中国を、世界は脅威に感じている。70周年を心から祝う国など、ほとんどないのではないか。


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