にざかな酒店

疲れ探偵3話

というわけで、3話出題編。っていうか、回答編すぐ続きで書きますが。
ネタ自体は前から温めていたもので、疲れ探偵にちょうどいいかなと思って使いました。
このシリーズがなきゃ多分表に出てないネタです。
え、彼、刺されちゃった…。

「も、もしもし、お嬢さん?どうしていきなりさしたのですか」
「……私は十年間、学生時代にいじめられていたので、同級生って聞いたら自動的に殺意が」
「ええーーーーそれだけ…?いや、それ早まりすぎやろ」
「早まり過ぎではありません。十年、心も体もボロボロにされてた期間は長すぎました。いいんです、どうせ学生時代抜けても冴えない毎日だったし、いいんです」
「ええ…?」
「それ、いいから救急車呼んでくださいよ…って、嘘だけどな。朝は絶対トマトジュース飲むんだよ、俺」
「あ、良かったね。」
「本当に油断大敵だよな…って思ったけど、凶器はそこのコンビニで買いましたなカッターじゃないか、これだったらマジに刺されても死なんけど、びっくりした」
「あ…え、えと…」
「あのな、自分だけ不幸って思いすぎ。いじめするやつだってする理由は幸せじゃないから、だぞ?幸せな奴がいじめなんかするわけないじゃん。ま、ちょっと責任とってお茶でも付き合えよ。話聞いてやるから」
「え、ええ…?」
「まあこれも何かの縁だ。話聞いてもらいなさい。後のことは二人で決めれば。僕は見なかったことにするからね」

そんなわけで、事件は不発に終わり、良かった良かった。
ちなみに後日談的に、彼は同級生と言っていたけれどクラスは一緒になってなかったので、実はあんまりいじめのこと知らなかったそうな。めでたしめでたし。
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