基本的な礼儀正しさ、言葉づかいに問題がないのに、うまく患者さんと意思疎通やコミュニケーションが取れない場合、声かけの仕方自体に問題があるかもしれません。声かけにはNG例とOK例があります。普段何気なく使っている声かけに問題がないか、看護の声かけ凡例から比較してみましょう。
まずは問診時です。「〇〇が痛いんですか?」「〇〇のように痛いんですね?」という聞き方は、言われる側は威圧感や問い詰められている感覚になります。「今日は〇〇で来られたんですね。どういった痛みがありますか?」など、看護師側が言葉を決めず、患者さんの表現に耳を傾けましょう。
続いて処置・ケア時です。どうせやることなのだからと、つい効率重視で「体温計りますね」「傷口確認しますね」と言いながら相手の服や体を触りがちです。「する側」の看護師にとっては日常茶飯事であっても、「される側」の患者さんにとってはいきなり体を触られたり服をめくられるのは通常とてもぎょっとしてしまう行為です。
では、どのように対応すべきなのでしょうか?この場合、看護師と患者さんに温度差があることを忘れずに、「体温を測るのでお身体触りますね」、「傷口確認するので、洋服をめくりますね」と事前の声かけ→患者さんの了承、相槌などの反応を見てからの行動を意識することを心掛けましょう。
これらは一例ですが、「どうしてこの声かけがこのタイミングで必要なのか」を考えることで、その他様々な看護シーンにも応用が効きます。患者さんの気持ちに寄り添った声かけを目指していきましょう。