中古で入手したテプラPRO SR550ですが、テープのカスが詰まっていたため正常に動作しません。なんとか掃除をしてとりあえず動作するようになりましたが、カッターの切れ味も悪く、また詰まってしまう恐れがあります。
今回はきちんと分解・清掃をした上で、カッターの交換をしてみます。
歴代テプラの中では最も角ばっていて、オートトリマーの赤色がワンポイントになっており、デザイン的に一番のお気に入りです。
古いテプラは、ハサミの形状のものでテープをカットしていましたが、この辺りの機種は、刃を折るタイプのカッター刃で押し切る形になっています。調査の結果、下記のものが使われていることが分かりました。全体を使う訳ではなく、必要な長さに折って装着します。
普通のカッターより幅広で、大型カッターより幅がありません。大きなホームセンターなら置いてあります。アマゾンでも扱っています。ただ、20枚入りなので、テプラの修理だけではコスパが悪いですね。カッターとしても使うつもりで、本体も買ってしまいました。
NT カッター替刃 プロH-1型用 中型薄刃 20枚入り BH-11P | |
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本体はこちら
NT カッタープロシリーズ H-1P | |
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さて、いよいよ分解です。裏面のネジから外したくなる所ですが、複数回の分解・組み立ての末、以下の手順に落ち着きました。
【1】テープ巻き上げ部品の取り外し
最初にテープカートリッジが入る部分のパーツを外します。赤丸部分が「C」型のリングで止めてあるので、精密ドライバ(-)などを使って外します。飛びやすいので、無くさないように注意して下さい。今回の作業の中で、一番難易度が高い所です。慎重に!
Cリングが外れると、白い部品が簡単に外れます。
【2】トリマーカバーを外す
分解の際に邪魔になるので、背面側のトリマーカバーを引き抜いておきます。
【3】裏面のネジを外す
裏面のネジ8箇所を外します。
【4】裏面カバーを外す
背面側からカバーを外していきます。電池BOXの配線が繋がっているので、注意して下さい。
外れるとこんな感じに。
【5】基盤〜金属カバー間の部品を外す
ネジ2箇所を外して部品を外します。
【6】スプリング(2箇所)を外す
金属カバーを外す前に、邪魔になるスプリングを外しておきます。ラジオペンチなどを使って外します。戻す際には入れ間違えないように注意して下さい。写真の上側が太いスプリング、オートカッター側が細いスプリングです。
【7】テープ送り(押さえ)部品を外す
ネジ(2箇所)を外すと、引き抜くことができます。テープ切断時にテープを押さえる/切断後外へ弾き出す所です。
カッター側についている出っ張りが引っかかるので、2枚目の写真のように押さえながら抜いて下さい。
【8】フラットケーブルを抜く
金属カバーに繋がっているフラットケーブルを抜きます。左右のツメを浮かせるとロックが外れるので、ケーブルを痛めないようにゆっくり引き抜きます(取り付け時は逆の手順で)。
【9】金属カバーを外す
ねじ(4箇所)を外すと、金属カバーを外すことができます。下の歯車がバラバラにならないよう、ゆっくり引き上げて下さい。
外した後はこんな感じ。バラバラになってしまったら、下の写真を参考に戻して下さい。
【10】オートカッターのパーツを外す
ここまで来て、やっとカッター部分のパーツが外れます。赤丸部分が歯車の下に入っているので、歯車がバラバラにならないよう注意しながら引き上げます。
【11】カッターの交換
カッターの刃は、赤丸部分のツメで固定されています。押し下げながらラジオペンチなどで取り外します。手を切らないよう注意!
新しい刃の取り付けは逆の手順です。新品の刃を同じ長さで折ったものを取り付けます。写真では根元の部分を使っていますが、刃の途中でも同じ長さにできるので、それでもOKです。
写真では分かりませんが、古い刃は結構刃こぼれしていました。
あとは逆の手順で部品を取り付けていき、動作確認OKになれば完了です。うまく動かない場合は、歯車の取り付け具合やカッター部分を手で動作させてきちんと動くか確認して下さい。
※刃の交換だけしたいけど、自分ではちょっと・・という方、ご相談にのりますので、まずはコメントで連絡先を教えて下さい。コメントはこちらで操作しない限り非公開ですのでご安心を。
2017.08.27 ネジを外す箇所が不足していましたので、訂正しました(電池BOX内)
■モーター音がするのに送られない⇒歯車の外れや破損が考えられます。
■モーター音もしない⇒他の動作に問題なければ、モーター周りの断線か、モーターそのものの破損が考えられます。
テプラの分解は難易度が高いのでおすすめはしませんが、ダメ元で開けてみるか・・・?。
お預かりさせていただければ、修理を試みますが、いかがでしょうか?
カッター部分の不具合であれば、破損がなければ分解・清掃で調子良くなると思います。
小さなネジが多いので、無くさないように気をつけてください。
無事修理できると良いですね。
細かい部品を無くさないよう、注意して作業してくださいね。カッターまで交換しなくても、途中までの分解でテープかすを掃除するだけでも、結構復活します。
なお決まり文句ですが、この記事に基づき作業した事による破損・損害の補償はできませんので、あらかじめご了承ください。
その上で故障原因や確認箇所に関して、ご助言いただきたいのでコメントさせていただきます。
先日まで使用していたSR550が故障してしまいました。
具体的な症状としては、
電源投入するとメーカーのロゴが表示されるのですが、文字入力画面に遷移せず、カッター部分がカシャカシャ2,3回空切りしそのまま電源が落ちてしまう状況です。
※テープ蓋を開けたまま電源投入すると、テープ蓋解放エラーが出たり、メーカー推奨の初期化処理は実行可能なため、根本的な起動エラーではないと考えております。
対応として、カッター周辺のゴミがセンサー等?に反応している可能性を考え、本記事を参考にすべて分解し掃除いたしました。(5年以上酷使していたせいか、かなりのテープゴミが詰まっていました😔)
しかしながら状況変わらず困ってしまっております。
今回の挙動の場合、ハード原因としては何処を怪しむべきでしょうか?また、ソフトウェア上(基盤等)だと太刀打ちできないと考えておりますが、何か確認する観点などあればご助言いただきたいです。
かなり古い記事へのコメントにて大変恐縮ですが、故障切り分けの考え方としてもアドバイスいただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
故障の状態は様々なので、症状から原因を特定するのはむつかしいですね。
まずSR550の動作として、電源ON時はテープカッターは動作しません。電源ON時に必ず動作するのであれば、カッターが初期状態の位置からずれていて、初期化の際に戻そうとして動くけど定位置に戻せずに電源が落ちる感じでしょうか。分解した状態で見ないと分かりませんが、カッターを動かすモーターやカッター位置のセンサーみたいなものがあれば、そのあたりが怪しいです。
もし動いているのがオートトリマー側でしたら、そちらのセンサーだと思うので、掃除で直る可能性はあります。
やはり部品交換でしょうか?
清掃はしました。