テレビが広めたオウム真理教 第2部

オウム真理教(元)出家信者として教団での経験等を伝え、カルトの実態及びマスコミの欺瞞を訴えていきたいと思います。

どうしようもなく驕(おご)った見解により 最後にすべてが台無しとなった残念なマスコミ記事

2023-12-31 00:02:00 | 回顧
 私(筆者)の記事の書き方への理解を求めるために、とあるマスコミのオウム真理教について書かれた記事について考察したい。

オウム真理教の麻原彰晃がビートたけし、とんねるずに語ったこと

オウム真理教の麻原彰晃がビートたけし、とんねるずに語ったこと

「私、秋吉久美子が好きだったんです」

BuzzFeed

 記憶が風化し始めているオウム真理教事件について、教団勢力の拡大に、多大なる貢献をしたマスコミの力と役割というものを、思い起こさせる良記事と思って読んでいたのだが・・・

 最後の1文で全てが台無しになったと私(筆者)は感じている。

その1文とは、この記事の最後の部分

(記事からの抜粋)

その後にオウムが引き起こした事件の数々は、多くの人々にとって予想外だっただろう。

「なぜ見抜けなかったのか」と後知恵で番組やタレントたちを批判して、溜飲を下げても仕方がない。

メディアは宗教とどう付き合うべきか。考え続けるためのひとつの教訓としたい。

(抜粋終わり)

という1文である。


 台無しになると同時に、他者への批判はいくらでも平気でヅカヅカと踏み込んで行うが、自分達の報道に対する検証及び反省は何が何でもしない、意地でも絶対に一切しないというマスコミの本質を大変よく表している1文であると言える。


見抜けなかったかどうか?という問題はもちろんあるが、巧妙に悪い部分を隠している悪質な反社会的団体をすべて騙されず見抜けるか?と言えば答えはNo だろう。用心していても騙される場合もあるであろう。


しかしもっとはるかに大きな問題は、その後の対応にある!


 同じように反社会的団体(もしくはそれに属する人物)と気づかずに付き合い、後で反社と判明して責任を追及された事例は数多い。


 芸能界では少し前では島田紳助氏カラテカ入江氏などが該当すると思うが、両氏とも「反社会的団体とは知らなかった」と言っていた。しかし当時は分からず後で発覚したとしても反社に加担した責任は重いと見なされ島田紳助氏は芸能界を引退、カラテカ入江氏は所属事務所を解雇されるという形になった。


それではオウム真理教の幹部や教祖 麻原彰晃

・坂本弁護士一家殺害事件の後に
・事件への追及や質問を一切せずに
・ゲスト扱いで

出演させていたマスコミはどうだったのか?

見抜けなかったのは事実であろう(もし見抜けていたにも関わらず構わず出演させていたとしたら、さらに大きな問題であるが)。

まさにその後になって地下鉄サリン事件などの未曾有の事件を教団が犯し、多くの事件・犯罪が発覚した時にマスコミは何をしたのか?よく振り返り検証するべきである。

 
テレビマスコミは教団を批判・非難する報道番組を流した。
いや、それ一色となった。
 
何かおかしいか?大いにおかしい!


それだけ強く非難するなら、

●なぜ1991年にはそのオウム真理教を盛んにゲスト待遇し生放送で番組出演させていたのか?

●しかも疑惑報道までされた事件についてなぜ一切質問及び追及をしなかったのか?

ということに1つも言及していないではないか!

 つまり自分達の失態には一切目をつぶり、触れないように気づかれないように、その話題から徹底的に〝逃げて〞いたのである!

それとも何か?テレビ局は

オウム真理教は反社会的団体ではない!

と言いたいのだろうか?ならば是非とも堂々とそのように主張して釈明すべきではなかろうか。「オウム真理教は反社ではないから、テレビ番組で自己PRさせても問題ないと考えている」と言えば良いのだ。

 そういうこともせずに、ただただダンマリを決め込んで、自分達に都合の悪いことを人々に忘れてもらおうとする姑息な姿勢を読者の皆さんは絶対に見逃してはならないと私(筆者)は考える。

・秋吉久美子がどうだった?とか、
・ベビーシャンプーを使っていたとか、
・生きることと死ぬことは隣り合わせだからもっと死を考えて生きよという観念(教義?)とか、

そんな事はカムフラージュだ!そこではなく、

テレビ局は殺人犯をゲスト待遇し、
テレビの力を使った自己PRを無防備にやらせた

ことにより 

それを利用したオウム真理教の教団勢力を急速に拡大させることに大いに貢献した

というところに非常に大きな問題があるということに焦点を当てて注目して頂きたい。教団サティアンの建設費用も、化学兵器サリンを作るための施設や実験装置も、教団勢力の爆発的拡大により得られたものに違いないからである。

 それをやりっぱなしで、後でどんなに悪影響を及ぼそうと(いや未曾有の大事件だが)、一切とぼけて無罪放免というのは、島田紳助氏やカラテカ入江氏の例と比較しても明らかにおかしい!番組製作者やタレントなどはこの二人と同等の処分を受けてしかるべきであろう。


 処分だけでも十分ではない!それらのオウム真理教の自己PR活動を助長した番組

・製作に到るまでの経緯、
・出演を許可した理由、
・背景に対する配慮の有無(坂本弁護士一家当時は失踪事件への教団の疑惑についてのテレビ局の見解など)

これらを

はっきりと検証し〝世に問うて〞

至らなかった点を洗い出すべきである。


 そういう番組が、あの大事件から30年近く経過した現在に到るまで〝全くの0本〞(冒頭にも述べたが他者を批判する番組はいくらでも平気で何10本、何100本と作る)であるから

検証や反省の余地は無限に近い

と私(筆者)は考えている。


いけしゃあしゃあといやしくも
「なぜ多くの若者が騙されて入信してしまったのだろうか?」などと言う前に、

「なぜ私達テレビマスコミは麻原彰晃や上祐史浩に騙され、オウム真理教の幹部や教祖麻原彰晃をゲスト待遇し、大いに宣伝・自己PRさせて若者が騙される原因を作ってしまったのだろうか?」

と問い直すべきである。

しかし繰り返すが、冒頭に述べたように、他者を批判・非難するのはいくらでも平気で行うが、自分達への検証及び反省は何が何でも意地でも絶対に一切しないのがマスコミの本質である。それが垣間見える記事を次にも書きたいと思う。









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