以前の記事に「2/3勝利の法則」としてNグルーヴの攻略を書かせてもらったことがある。
参考「Nケンの次世代的立ち回り」
よく、他のグルーヴからNグルーヴに転向しても満足の行く結果を残せないことがある。理由は何かを考えてみた。
まず、Nグルーヴの短所だ。
これは「マックス発動」しなければLv3スパコンを打てないということが一番大きいように思う。
例えば、Cグルなら中パンチや小パンチを押すことで簡単にLv1とLv2を使い分けをすることが出来るし、Aグルはオリコンなので心配無用、PグルやKグルはLv3しか出せない、Sグルは説明を割愛し。すなわち、Nグルは予備動作なくしてLv3を放てないという不利な仕様なのである。
なので、ゲージを2本取得して小パンが当たっても、そこからLv3スパコンにつなぐ事は発動しなければ不可となる。そして、発動してから12秒以内にそれを決めなければいけないという制約が付くのである。これはKグルと比較すれば、かなり短い時間といってよい。
では、このNグルーヴで「安全性」を高め、かつ「効率性」を重視しつつ、「質」が高い戦略を構築できないだろうか?という疑問が残るはずである。ここからがNグルの全体的な戦略について触れていく。
Nグルvs.Kグルで見えるNグルの新しい可能性
一つ話題を変えるが、もしNグルで対Kグルの弱点を探す上で「起き攻め」は決して外せない話題の一つである。
Kグルが苦手なキャラといわれ、挙げるとすれば「ガイル」「チャン&チョイ」、場合によっては「ユリ」なんかもきてしまう。
そこで改めてKグルのデメリットに焦点が向けれる。
ずばりKグルの弱点の1つに、起き上がりにこれらの「飛び道具」と「打撃」のかち合わせ攻撃が挙げられる。
つまり、「飛び道具」が先に当たるのか?それとも「打撃」が先に当たるのか?
こういうカラクリにKグルは滅法弱いのである。
対Kグルで優秀な飛び道具を持つキャラは、起き攻めの選択権を仕掛ける側において有利な方向へと導く。
→「なぜか?」
それはKグルの起き上がりには、「ガード」・「JD」・「無敵アパカ」の3つ位しか出来ないグルーヴだからだ。なので、Kグルは起き攻めをされると有効な攻撃をこのような攻撃で捌いていくしか方法はない。すると、相手のKグル使いは「飛び道具が先に当たるのか?」「それとも打撃が先に当たるのか?」という選択を迫られる事になる。ガイルであれば、起き上がりにソニックを打つ、ソニックを追いかけて、中足や大足を狙うふり(つまりしゃがんだだけ)をしながら実はソニックを先にガードさせてバックブローを重ね、ガードクラッシュを削るという戦術はそこにある。
相手のKグルは、「どっちが先なの?」という選択肢を迫られることになり、
単純に「いつ攻撃が来るの?」っていうKグル理論を崩壊させることになる。
飛び道具が迫ってきているので無敵アパカで暴れるという選択も消える。
これに下段系を重ねるように牽制することで相手はジャンプで逃げることも抑止されることになる。
だから、Kグルにおいて「起き攻め」は大事でなる。
起き攻めの丁寧さがKグル戦での戦績に関わってくるといっても過言ではない。
この2つの攻め手で相手のガードクラッシュ値を削りつつもこちらのゲージをストックすることの意義は大変大きい。
Nグルはランがあるので、別に上に挙げたキャラでなくても飛び道具をランで追いかけるようにして起き攻めすれば代用することができる。
そのため、ただ単純に私から「Nグルの長所は?」と質問されて「Nグルはランがあるので、攻め手の幅が広くなる。>」と答えるのは対KグルのNグル理論としては20点の出来栄えでしかない。
カプエスプレイヤーとしても未熟であり、もう一度、基礎から覚えた方が良いということになる。「対Kグルにおいてランを起き攻めで使い、これに飛び道具と打撃の時間差によってJDズラしでガードクラッシュゲージ値を削ることがランの主要な目的です」と答えるなら、少しは加点になる。
また「Lv1スパコンの存在は大きい」
→「なぜか?」
それはLv1スパコンのダメージではなく、「ダウン回避」をされないという点にある。つまり、起き攻めを展開しやすいのである。また、打撃攻撃はガードクラッシュの回復量をストップさせるので、回復し始めか否かで追撃できる点も大きい、相手がガードクラッシュを点滅させれば、小足や小パンからのLv1スパコンを当てて積極的に起き攻めに投じることができる。
そして、ゲージを3本ストックしているケースが多い中堅、大将戦では相手を一瞬で瞬殺するかもしれない「セットプレイ」の原理へと続くことになる。
これはガークラとの絡みも含めると面白い見方を次にしめそう。
/ | (1) | (2) | (3) |
JD | ○/×/△ | ○/×/△ | ○/×/△ |
G | ○/×/△ | ○/×/△ | ○/×/△ |
UP | ○/×/△ | ○/×/△ | ○/×/△ |
※JD:ジャストディフェンス
※G:ガード
※UP:(無敵アッパー系)
対Kグルで起き攻めの丁寧さはそのままそっくり試合に波及すると説明しました。そして、もう一つは、「セットプレイ」の原理であるとも説明しました。「セットプレイ」は前回のケン編で説明していましたが、ここではもう少し噛み砕いて説明したいと思います。
上の表は「2/3の法則」理論を表化したものです。表中の「○/×/△」は、
○は「意図する目的が達成できれば○」
×は「意図する目的が達成できなければ×」
△は「達成できるかは微妙、リターンが少ない」
などになります。では、Nギースで考えてみましょうか。
NギースでKサガットの起き攻めをする場合です、この場合のサガットの行動を考えます。
サガットの選択は怒りゲージの有無もありますが、なければ「JD」「ガード」「アパカ」の3択となります。
まずは、
相手のガードクラッシュ値があまり減っていない&中間距離 という状況の「フォーメーションA」と命名して、その起き攻めについて考えてみましょう。
フォーメーションA
起き攻めで低空系の疾風拳を選択(1)として考えてみましょう(上の表と一緒に考えてください)
・無敵アッパーには勝つので「○」、
・JDされたら高度によってはリスクがあるので「△」、
・ガードされても大丈夫、でもリターンも少ないので「△」
続いて、RC烈風拳を選択(2)としてみましょう。
・無敵アッパーには勝つので「○」
・JDされたら距離によっては反撃もあるので「△」
・ガードされても大丈夫、でもリターンも少ないので「△」
続いて、ラン中足(または大足)→烈風拳を選択(3)-aとして考えてみます。
・無敵アッパーには負けるので「×」
・JDされても反撃が間に合う可能性があるので「×」
・ガードされたらガードクラッシュ値を削れるので「○」
また大足はダウンを奪い、ダウン回避でも烈風が当たるのでガードクラッシュ値が余り減っていない状況下では有効であると言えます。
しかし、(3)-aは、(1)・(2)と比べてかなりリスキーであると言えます。(3)-aを通すには、相手のJDのタイミングを飛び道具へと意識させ、その飛び道具を出すよりも少しディレイを入れてガードへ持っていく必要があるといえます。しかし、このディレイは初心者では少し難しい概念になります(慣れるとかなり役立つのですが)そのため、(3)-aとは別に小ジャンプ強P→着地烈風などを(3)-bとして考えます。○・×・△は(3)-aと同じです、悪魔でディレイを有効とするための代替案です。ただし相手に疾風拳の魔法がかかっているときは有効打になるかもしれません。
このように、起き攻めの行動を選択的に分けて、2/3は勝つけど、1/3は負けるというような選択性を持たせることを2/3の行動理論と言います。また、対Kグルにおいては、JDズラシの要素も複合するので「(3)-a」・「(3)-b」としても分けて考えました。
フォーメーションA(ガークラ点滅無し・起き攻め)をまとめるとしたの表のようになります。
/ | (1)疾風拳 | (2)RC烈風拳 | (3)-aラン中足→烈風拳・大足→烈風拳
(3)-b:小J強P→? |
JD | △ | △ | × |
G | △ | △ | ○ |
UP | ○ | ○ | × |
今度は逆にガードクラッシュが点滅し、ガードクラッシュをにおわせるような状態であればどうでしょうか?
「ガードクラッシュ値が点滅&遠距離」 の状況での起き攻めを「フォーメーションB」として考えます。
フォーメーションB
フォーメーションBは、ガードクラッシュゲージが点滅状態にあるわけなので、ガードクラッシュを狙えるということです。しかし、そうはさせじと相手のKグルも頑張ってJDしようとします。また、ゲージが2本ある場合は、発動してLv3スパコンを当てれるチャンスになります。しかし、発動には時間をとられるので、起き攻めでこちらができる行動も限られてきます。
では、最初にランで近づいて RC邪影拳を選択(1)
この場合は、無敵アパカに勝つので UPは「○」
JDされると負けなので JDは「×」
ガードされてガークラできれば「○」、できなければ「×」、Gは「△」
ランで近づいて大ジャンプからの低空疾風拳を選択(2)としてみたら・・・・
無敵アパカには勝つので UPは「○」
JDされたら怒りゲージが上昇し、且つ発動時間も消化してしまうので「×」
相手にガードさせても大きなメリットが無いばかりか発動時間も消化するので「×」
と「フォーメーションA」と「フォーメーションB」でも状況が違えば、同じ低空疾風拳でも扱いが違う事になります。
では、「フォーメーションB」において選択(2)をもう一度、考えることになります。
相手は「JD」か「ガード」、「無敵アパカ」しか出来ず、尚且つ、遠距離からの起き攻めです。
雷光回し蹴りは意外に見てからのJDがアワセやすいので△
かといってもランで近づいて有効な攻め手が難しい、また発動もしているのでガークラも狙いたい、ただしJDされるのは怖い
「相手は遠方へ吹き飛びダウン」→「こちらは発動」→「ランで追いかけて起き攻め」
選択(1)で無敵アパカはふさぎ、ガードされたら微妙なので、ガードされたら確実にガークラを狙える連係にしたいものです。ここでは、ラン大足→小邪影拳 を選択(2)にしたいと思います。
この選択は無敵アパカに負けるので UPは「×」
JDも「×」
ガードされたら「○」
と選択(1)と比べ、少々リスキーになりましたwされど、リターンは大きいので、その点はお忘れなく。
では、最後に選択(3)について考えて見ましょう。
発動をして小烈風をすると、ジャンプで避けれるタイミングになるので有効な攻め手にはなりません。
発動してランで近づいて何をするかが問われるためです。
この場合は、JDされた場合のリスクにナイーブになる必要があります。
なので、普通にJDされても反撃を受けにくい小パンを選択(3)としましょう
・無敵アパカには負けるので「×」
・JDされても反撃は受けにくいので「△」
・ガードされてもガードクラッシュまで持っていける可能性はあるので「△」
選択(2)と選択(3)は距離としてJDズラしに対応できる距離差ができているので、
これは「フォーメーションB」の状況下では良い連係になります。
上記のフォーメーションBを「2/3の勝利の法則」の表に代入すると次のようになる。
/ | (1)RC邪影拳 | (2)大足→小邪影拳 | (3)ラン→小パン |
JD | × | × | △ |
G | △ | ○ | ○ |
UP | ○ | × | × |
上記は、悪魔で一例です。大事なのは考え方です。
個人的には、Nギースを使うなら大足→Lv1レイストまで確実につなげるようになっておくべきだ。
私が稼動当初からレイストの有効性を説明してきたのは、ギースにはレイスト以外でダウン回避されない攻撃が皆無だからである。ダウン回避されないためには、烈拳を打たないといけない、烈風拳を打つと起き攻めができない。そのジレンマを生じさせないため。
Lv1レイストを当てるだけでこのジレンマは解消される。
ダウン回避されない、ゲージ2本残っていれば発動して次の1手で全てが決まる。
そういう状況に出来るのがNグル。流れるようにして相手を葬れる火力はここにあります。
Lv1レイストまで当てればダメージ4000前後。で、相手は「ダウン回避不能」でガークラリーチならデッドリーを食らうという状況下になるので、かなり切羽詰まります。
ここで相手に仕掛ける「フォーメーションB」・・・
このことを僕らは「セットプレイ」と呼んでいました。
よく昔の仲間内でのランバトの実況とかで仲間内から
「おおっと小パン大足Lv1レイストがヒットしたぞ!!
ガークラ点灯だ!!
さぁカポコンのセットプレイだ!
勝利のホイッスルが流されました~!!」
みたいな感じですねw。
で、事実、その後、デッドリーまでキッチリ決めて体力満タンだったのが、Lv1レイスト食らってから流れるように瞬殺したので対戦してた人から「魔法ですか?」っと・・・フフ。ま、そんな大それた言葉ではないのですが、例えるならサッカーでいう日本代表がゴールまでの流れを、チームプレイヤーがまるで意図する方に流れて、動き、魔法のようにゴールを決める。あの「流れるような・・・」の一連の動きに似ているのでそう呼ぶようになったのかもしれません。
Nサガット使いが稼動当初から無意識に振るってきた猛威の力ですが、これに前キャンと組み合わせることで意識して狙えるようになったと言うのが今の見解でしょうか。
カプエス クリティカルパス
さて、セットプレイに持っていくまでにはリスクがあります。それはJDされないようにガードさせるという事です。僕はこのJDされないようにしてガードを削る攻撃は2回当ててガードクラッシュ値が点灯するのが効率良いと考えます。
この場合、攻撃力が2000以上の連係をさします。これをガードさせることで、相手のガードクラッシュ値を10以上削ることができます。10以上で2回削るとKグルはガードクラッシュ値が23~24余っていることになります。これを一気にガークラまで持っていきたいなら、最低でも25からのガードクラッシュ削り量がほしいことになります。
具体的にリュウの連係攻撃を示すのでリスクとリターンを考えて見てください (レシオ2時)
(a=遠距離 b=中間距離 c=近距離)
1-a-1 遠立強P→真空波動拳 (ガード削り量:7+4=11) -1本
1-a-2 遠立強P (ガード削り量:7)
1-b-1 垂直小ジャンプ強P→Lv1真空波動拳(ガード削り量:7+4=11) -1本
1-b-2 垂直小ジャンプ強P (ガード削り量:7)
1-c-1 屈中P→屈中P→真空波動拳(ガード削り量:5+5+4=14) -1
1-c-2 屈中P×2 (ガード削り量:5+5=10)
1-c-3 屈中P→屈中K (ガード削り量:5+4=9)
2-a 大足→真空波動拳(ガード削り量:7+4=11) -1本
2-b 大足→強波動拳(ガード削り量:7+5=12)
2-c-1 大足→強灼熱波動拳(ガード削り量:7+6=13)
2-c-2 大足→小昇竜拳(ガード削り量:7+8=15)
2-c-3 大足→真空竜巻旋風脚(ガード削り量:7+6=13) -1本
3-a-1 小J強K→Lv1真空波動拳(ガード削り量:6+4=10) -1本
3-a-2 小J強K(ガード削り量:6)
3-b-1 小J強K→強波動拳(ガード削り量:6+5=11)
3-b-2 小J強K→屈中K(ガード削り量:6+4=10)
3-c-1 小J強K→小昇竜拳(ガード削り量:6+8=14)
3-c-2 小J強K→真空竜巻旋風脚(ガード削り量:6+6=12) -1本
3-c-3 小J強K→強灼熱波動拳(ガード削り量:6+5=11)
★ガードクラッシュ値が22~23ぐらいで、Lv1真空波動拳絡みのコンボを入れた後に狙っていくセットプレイ一例
※「MAX発動しない」 の場合
(ランからのアプローチ)
小波動拳→ラン→波動拳よりも先に大足を当て→中竜巻旋風脚 (4+7+7=18)
小波動拳→ラン→波動拳を先にあて→屈弱P→屈中P→屈中K→真空波動拳 (4+2+5+4+4=19)
(ジャンプ・大ジャンプからのアプローチ)
小波動拳→(大)ジャンプ強K→近立強P または 屈強P→小昇竜拳(4+6+6+8=24)
小波動拳→(空かしジャンプ)→屈弱P→屈強P→小(中)昇竜拳(4+2+6+9=20(21))
※「MAX発動する」 の場合
発動→ラン→RC小~強波動拳 (ガード削り値:5~6)
発動→ラン→小(中)昇竜拳 (ガード削り値:10(11))
発動→ラン屈小P→屈大P→強灼熱発動(ガード削り値 2+8+7=17)
発動→ラン→大足→小(中)昇竜拳(ガード削り値:8+10(11)=18)
発動からの攻めでは、ジャンプからのアプローチとランからのアプローチがあるが、ジャンプからのアプローチではAグル以外でKの無敵昇竜に対する免疫は皆無である。(空中スパコンを持つキャラは別)、RC系の技も絡めつつが相手の選択権を摘み取れるのだが、残り9や7ぐらいとガードクラッシュ量を目視できるようになればランからの昇竜拳(JDズラシ)も含む包括的な戦略がNグルでは可能であることが分かる。
セットプレイの原理で、Nケンならどう考える?さぁN庵ならどう考える?
みたいな感じになるわけですw。
今にになって考えても、このゲームの奥深さにただただ感動するなぁ。