木洩れ日に身をゆだねて

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自分が好きなもの美しいもののあれやこれや
時折、佐々木の蔵さん鑑賞など

舞台「こんばんは、父さん」へのつぶやき編集版

2012-12-04 | 舞台
日刊「こんばんは、父さん」



舞台公演が終了したので、勝手な感想など


最後のブログに閉幕がUPされて
いよいよ、終了してしまった・・・という現実が押し寄せる(T_T)

UPされた 舞台セットに号泣~
毎回 毎回・・・・
しみじみ眺めた あのセット・・・・

舞台が始まる前に
そして舞台が終了したあとにも しみじみ眺めた 異空間
なぜか懐かしい昭和の香りがして
見ているだけで 心が落ち着いていくのを味わえた。

人生初めての蔵様の舞台の観劇は、世田谷10月29日(月)マチネ
BSで1月8日に放送されるものが、その日そのときの舞台
3列目上手で観劇 目の前に蔵様状態を長い時間味わえたので幸運。

日刊ブログでは その日の年齢層は高めで、いつもの二兎社の客層であったそう。
自分の感覚では、今回自分が参加した中では 
最も会場の反応が薄く?最も緊張または集中していた時間で
ラストまで、あまりの静寂さに苦しくなったほどで
ときおり自分も含めたクスクス笑いが、目立つほどに・・・・。
舞台というものを味わえた感動と同時に、会場の空気感は不可思議で
友人にも言われたのだが、もしかしたら、録画しているという影響もあったのかしら~
若干 想像と違うクールな舞台の空気感にショックを受けながらの初回観劇。

2回目は、世田谷11月3日(土)ソワレ
最前列での観劇 生涯の思い出に決定の舞台
大感動の迫力と目の前の熱演に ただただ幸せ~~~
この日は何しろ鉄馬のすべてに注目し続け 前回味わったときの微妙な感覚は
素晴らしいものへと払拭され舞台は生き物と実感した。

3回目は、世田谷千穐楽 11月7日(水)マチネ 席はL列下手
最後ということで会場も盛り上がり 反応もしっかりあり
一体感があって皆で楽しめた感覚がとてもよく
キャストたちの嬉しそうな顔も見られて大満足。公演はじまって以来の
4回のカーテンコール初出の日

4回目は、自分のラスト観劇 11月15日(木)
神奈川県 杜のホールはしもと ソワレ 2列目ど真ん中の席
最後だと思うと 最初から泣けて泣けて・・・ラストまでじっくりいろいろと堪能。
会場も、平日の世田谷よりずっと反応良く、カーテンコールも3回と盛り上がり
地方会場として、とても嬉しかった~

さて 内容に入る
話は浮ぶままなので前後する

割れ窓から登場の 平さんの手にぎょっとしたが 
部屋に入ってきて 舞台に立たれ そのオーラの凄さに心の中でうなる
まぶしい・・・あんなよれよれの服装にもかかわらず・・・
中身から光がほとばしっているのに違いない・・・さすがだ

そして AOKIのライバル(笑)青山のスーツ着た 淳平くんの星児登場
*ちなみに両社ともに、衣装協力
まぶしい・・・若さがはじけている・・・平さんのオーラとはまた違う
軽快な動きとセリフが心地よい
同時にベテラン二人の失ってしまった「若さ」というものが
浮き彫りにされた感じもあった(おそらく自分も)
若さのオーラ・・・というものを体感した

星児・・・なんて魅力的な人なんでしょ キラキラしていた
言葉に力が入っていて 熱演が速効伝わってくる
天井からつるされたロープから可笑しさがもれて 話は展開していく。

電話の向こうに鉄馬がようやく現れたと思ったら
生の声が2階から登場し やっと蔵様登場・・・・感涙
2階から あああっ! 片足がドーンと垂れて・・・綺麗な白い生脚だよぉ~
さわりてぇ~っ落ちそう~あぶな~い
頭が興奮で大混乱しながらも 鉄馬に釘付け
ごめんなさい
さっき若い淳平くんに こりゃクラクラ浮気しそう(うそうそ)なんてくらい
すてきだと思えた輝きだったけど やっぱり蔵様かっちょい~~(あたりまえ)
平さん以上に、よれよれの鉄馬だけど、色白い~~顔に汚れめっちゃつけてはるけど
そんなん関係ないわ 目がきらきら~ 振り回す手も白白まっしろ~~
これじゃ 内容に関係ないまま終わりそうなので本筋に戻す・・・

くるくる変わる キャストの組み合わせが 飽きさせず
それぞれの状況と過去をあぶりだしていく面白さに引き込まれていく。
鉄馬の転落ぶりに声を荒げた富士夫・・・
「お前なんか鉄馬じゃない!」・・・・ズキン
愛しているハズの鉄馬に どうしても成功して欲しかった父・・・
本当に子供のために?自分のために・・・だよね?
自分とは違う成功をしてほしかったのだけど どこか自分のためにだったんだよね?
自分もそんな同じものの考え方したことがあって 痛かった・・・
鉄馬は言った 進学校になんて行きたくなかったって・・・

似たようなセリフ 数年前 息子から聞いたことあった
親を責めたりはしなかったし 本人に聞いた上での進路だったんだけど
ただ後から 後悔をポツンとつぶやいただけ・・・
もう過ぎてしまったことはどうしようもないのだけれど そんな過去を 蘇らせた瞬間だった。 
改めて息子の顔が浮び なんだか涙が出て もう少し彼に耳を傾けていれば・・・。 
もっと昔から「好きなことをさせてあげていれば良かったな~」・・・と もっと前から。
まるで富士夫の言葉と同じものが自分の中にもあった
今はのびのびと、好きなことをしている息子なんだけれど・・・一瞬タイムスリップ
異空間のなせる業か。

鉄のひっかき棒?で鉄馬が星児を脅すシーンは 迫力!
水汲みに行ったあとも、鉄馬はひねていて、精いっぱいの遅い反抗期。
パーカーのフードかぶって 乱暴に命令して
父さんにあげる水、無理やり星児に代理で渡させた。


蔵様の回想シーンは圧巻~
AOKIのスーツ姿まぶしくて~鼻血もの~
唾やしぶきがたくさん舞って・・・熱演 激演!!!
鉄馬が履いている 靴下が牛の模様柄みたいなもので
中央テーブルや椅子に乗りポーズするときに
バーン!と足を前に突き出すんでよく見えた
そして指には結婚指輪
前の席は 汗までしっかり拝見できて 一生の宝物
あの顔面の動かし方が凄すぎ~
自分は未見なパワーマイムってこんな感じ?って・・・動きのある楽しいシーンだったのだけど

「父親だって言わないでっ!!!」ってセリフを聞くまでは・・・笑っていた・・・
衝撃的~あの場面・・・
父は息子に、息子は父に、それぞれ別の理想像をお互いに望んでいたから
鉄馬だって・・・愛憎の末・・・「あんなのオヤジじゃないっ!」だったんだね。
でも、父さんはそれを曖昧にだけど良しとしていた・・・。「理想の鉄馬」が誇りだったから。

もうひとつ 富士夫がボケてきたのか?という
老いを感じさせるいくつかのシーンも衝撃で
恐ろしいくらいに 絵空事ではなく
そのうち みなに降りかかってくる現実のひとこま
みな、考えないようにしている現実・・・。

そして 勝馬の存在に喜ぶと同時に自分の愚かさにももがき苦しむ富士夫。
生きていることで 愛するものにも迷惑をかける苦悩・・・
同時に・・・迷惑をかけられる苦悩・・・・
人間同士 つながってることで どうしてもこのしがらみは生まれてしまう
迷惑かけたりかけられたり 失敗したり成功したり 愛したり憎んだり
死のうと思ったり まだ生きたいと思ったり・・・・
立場はいろいろだが、みなそれでも小さな灯りをともしながら生きている。


二兎社の永井さんのインタビューで
この作品 たしか「東日本大震災」の影響を受けたものだということが書かれていた。
公演チラシでは「幸福のモノサシ」今のモノでは、計れなくなっている・・とあった。
そんなキーワードを 自分の頭に置いてあった上での観劇だった。

全てをお互いに失って 裸同然になったときに
同じ情けない土俵で はじめて 心を通わせ合う二人の姿・・・
お酒のシーンは ジーンときて
「ここが父さんの席だから・・・」という鉄馬のセリフ
あれが、一番好きなセリフかも。

現実はその後、そんなに穏やかな生活ができるのか?という甘さは否めないし
心配でたまらない二人いや、三人か・・・の行く末だったが
それでも、命あるうちに和解できるものはしておこうよ・・・
言いたいことは今、伝え合おうよ 愛してるって言っておこうよ・・・
言えないなら表しておこうよ・・・
愛する者のために もうひとふんばり生きてみようよ・・・
全て失っても 全てを失っても・・・・
まだ残るものが 大事なものなんだよね?・・・

希望さえ今はないかもしれない・・・でも
次世代のためにも・・・・生きて見ようよ・・・

こんなところに頭に置いてあったキーワードが横たわっているのを
感じ取れた気がした



星児に心配してもらうような状況にある二人の方が
今度は星児の将来を思う可笑しさ
みんな良い人 憎めない人たち そして弱い人
夜逃げされた家族のほうにとれば とんでもない親子なんだから

そういえば・・・「もう出来てますぅ~」の息子の勝馬は出てきたけど 
「どうってことないぃ~」(ひどいけど、笑いのための設定?(笑))・・・と言われたうえに
離婚した 鉄馬の妻が出てこなかった いいけれど。

お母さんのお話は 本当に切ないもので
鉄馬の長いセリフが続き 引き込まれる時間
そこには、もういないはずのお母さんが浮んでくる・・・
本当に上手かった 蔵様・・・惚れてよかった~。
自分が見た4回の限りでは 蔵様だけは全編通して
一度も噛んだりしなかった・・・たぶん・・・

富士夫の 数々の無神経さには 呆れるが
男の勝手さみたいなものをリアルに表しており 
似た人が身近にもいた自分は さもありなんと思うくらいであった(苦)
女心などわかりようもないわかる気もないのだから。(バカなだけで悪気はないはず)

サンダル揃えたことがあったという母さんも
リアルの似た人が身近にいたので
そんな夫婦のカタチは人知れずともよくあることかもしれなかった
(念のため自分は違うけどね(笑))
夫婦のことは夫婦のモノだが、その子供は大変であるから
鉄馬の気持ちには同情した
異性である母の苦悩に寄り添うことなど 実際、息子には難しくお手上げであったろう。
思春期ともなれば、その頃の母など男子にとっては余計に疎ましく感じる頃であり
親離れの時期でもあり余計に間の悪い状況が想像される。
一般的に、男性同士は案外、浮気だのなんだのに関しては
お互いをかばいこそすれ、それほど責め立てたりもしないように見受けられるのだが。
そうかどうかはわからないが、父への愛憎は感じた鉄馬なのであろう。

親子の泣き方の度合いも
各シーンの演出も 毎回微妙に違ったが
その日の入り込み方次第なんだなぁ~と回を追うごとに感じた。
まさにリアルな毎回の変化が
こんなに舞台が楽しいものだと教えてくれて幸運だった
諸先輩方の言われるとおり、これが舞台の当たり前などではなく
二兎社の永井作品ならではの良質さだったのだ・・・ということは
今後、自分は別作品を見たときに実感していくことなのであろう。

「こんばんは、父さん」・・・・
そういって学生の鉄馬は父を訪問した

「こんばんは、父さん」・・・という鉄馬のセリフが
あんなに切ない声のトーンで登場するものだとは予想外であった。

鉄馬は勇気を出して自分の本音を言ってみたけど・・・父の意に添わず・・・
そうして・・・

富士夫の回想シーンも迫力だった 
ギラギラの金のブレスレットやら
ネックレスを身に着け ジャラジャラとさせながら登場の富士夫
どうだ~とばかりな仁王立ちの 真正面の席だったが
蔵様以上の眼力に 本当に魔法にかかりそうなパワーで引くほどだった

あんなに凄い俳優さんが
とんでもない父親役で しかもかわいく演じられていて
危険な老いまで演じられていて
普段は超かっこいい蔵様も よれよれに身を包み、すさんだ様子を醸し出していて
家ではそんなラフな感じ?みたいな素も見えながら(笑)
ひねていても、それはそれで愛おしくなるという(笑)
そして淳平くんは最後までパワフルにコミカルに軽やかに
気後れすることなく両雄と同じ土俵で輝いていて・・・
3人とも なんとチャーミングな揃い踏み
このキャスティング見事です~永井さん~

最後の鉄板のひとつであったであろう
階段の手すりに鉄馬が顔を出すシーン

世田谷で 最初に見たときには
鉄馬が3パターンくらい顔をかしげて 
どう?どう?かわいいでしょ~ぼくって・・でへへ
みたいな感じだったけど(思いっきりやってるのが可笑しくてクスクスした)
しっかり笑いを取ろうとしている・・・と自分は感じていたが(笑)

たしか世田谷でも日によって、少しおとなしめに顔をつけるだけに変化していた。
杜のホールも静か目のパターンだったかと思います
だから笑いはおきたりおきなかったりのシーン。

最後の最後の鉄板は 縄にランプかけるところ
必ず笑いがおこっていた
うまいなぁ~ランプ。
沈みかけていた夕日から夜へと闇が訪れる頃に
親子の絆にふたたび明かりが灯るのを象徴するようで・・・
死から生へ・・・そして希望へ・・・であろうか。
会場のみんなの心にもかすかな灯がともるという。

本当に会場ごとまたは数日ごとに 変化をつけながら
いろいろと最後まで 各シーンを演じられて燃焼されたと思う。

杜のホールで、富士夫がパンツをたたみ匂いを嗅ぐシーン
一番前列の ちょうど富士夫の前あたりのご婦人がめっちゃ受けていて
いい感じ~とこっちまで受けると嬉しい・・・という身内感覚になっている自分がいた

淳平くんのしゃっくりも 上手だなぁ~毎回やるの大変だろうなぁ~と思ったし
鉄馬のふてくされた態度の 片膝を抱えてすわるポーズはめっちゃ抱きしめたくなるし~
今回 めちゃめちゃ 3にんとも眼力あるし~(笑)女性をとりこにする目~全員!
永井さんの今回のキャスティングで 初舞台観劇ができて
とても幸運だったと思う。
こんなに4回見ても まだ見たりないなんて・・・

時間がたってしまった分
あまり絞り出せず・・・
また後々浮ぶと思うのだが
早くBSでまた拝見したい~ 

NHK BSプレミアム「シアターコレクション」
1月8日放送が 楽しみ!



2 コメント

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渾身のレポ (カリコ)
2012-12-05 00:35:16
ありがとうございます~♪
さすが観劇4回、すっかり通な内容!

しかし平さん、何がすごいって「お前なんか鉄馬じゃない!」なんてヒドイ言い草が…憎めなかった!
子供の頃からずっと「何されるかわからんから近付きたくないおじさん」やったですが、全然違う方向に驚かされました。←めっちゃ失礼?誉めてます!

蔵さんもそれに対抗して、バブルを引きずったクドイ男を演じはるんかなとか勝手に予想してましたが、ほんまにピュアな息子でしたね~。
いたたまれなくて離婚という形で逃げ出したところだけが、父さん似(苦)
やっぱ前で見るのんええなあ~靴下の柄なんて、全然気付かんかったです。あのふくらはぎ見て素足なんやと思ってましたー。

そっか、青山とAOKI対決!溝端くんが一番パリッとしててビジュアル的にも物語の立場的にもなくてはならない清涼剤でした。

しかし、今更3人劇やったんですよね。
もっと沢山の人が出てたような記憶が残ってしまってるのは、演者さん方がしっかり、妻とか息子とか店長とか母さんのことを慈しむように話してはったからなんでしょうね。
あ、ミッキーも(笑)←これは名前勝ち
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カリコさ~ん (むーぽ)
2012-12-05 23:20:33
いえいえ、舞台初心者ゆえ、独りよがりのつぶやきで
>「何されるかわからんから近付きたくないおじさん」
いやぁ~わっかるわ~まさに!そんな感じ~
今回・・・とんでもオヤジなのに、めっちゃプリティー
>靴下
最前列でスーツのときに履いてるのを確認して
なんであの柄なんやろ~?って目が点に
その後お着替えして登場されたとき、そのままこの靴下
だったような気がして(最初は不明)
再度確認したかったけど~できずじまいで残念
>スーツ
清涼剤ね、うんうんわかります、スキットさわやかスプ○イトみたいに!(笑)

>ミッキー ぷぷぷ~
そうですね、いないのに存在が浮かび上がりましたよね。
3人ってバランスが 凄くよかったと思いませんか?
脚本にもよるのでしょうが・・・
2人の場合ほんと息抜く暇もないですよね。
次回はどうなるのか・・・猿さんと再共演も拝見したいものですね~
「そこをなんとか」もいい感じですものね!

思い出しながら脳ミソ振り絞っていたら
素敵さも甦り・・・・
生腕も生脚も生指も生首も生頭髪も生目も生口も・・・・(あほ)焼き付けたなぁ~って
ああ・・・ほんま・・・すっきやわぁ~
娘が友人からもらった古本「O型自分の説明書」読んで爆笑・・・
「会話の50%くらい擬音。」ぶはははは。それ以上かも!自分。
「けっこう熱い血が流れている。サラサラーっていうよりドドドドドー。」爆笑!!!
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