僕は他大学から京都大学大学院生命科学研究科に合格しました。その時にやったことを以下に書き出していってます。他大学の院を狙う人にとっては参考になるかも?
生物は暗記と原理、現象の理解さえ出来れば簡単でして、思考方法とかが大切になってくる(?)物理や数学よりも比較的短時間で勉強することができる&大学から学ぶ生物は高校生物を理解していたらとっつき易いということから僕は2ヶ月ほどの短い期間での勉強で合格できたと思ってます。ちなみに高校生物はそれなりに得意でした。大学入試でも今研究している分野(遺伝子、DNA、タンパク質)の問題はほぼ確実に得点して、それ以外の分野(森林、植生、代謝)は嫌いだったので勉強せず結構失点してました。院試は基本的に僕が得意としていた分野からの出題が殆どでしたので勉強していて楽しかったです。
ネットやブログで外部の院試を受けた人の体験談を見ると大体4年になる前の3月から対策し始めており5ヶ月ほどやってます。5ヶ月もやれば余裕で合格できると思います。
では、以下はやっていったことです。(日記を参照にしてます。)
5.18 院試について初めて調べた。調べると自分の大学の院に行く意味がわからなくて、他大も調べてみた。
5.20 京大の生命科学研究科で今自分がやってるのと少し違うがほぼ同じことを研究している研究室を見つけて、研究活動も活発そうで面白そうだったので受験しようと思った。今所属してる研究室の教授に外部受験していいか?って連絡して京大の教授にメールを送る。
5.21 zoomで面談してくれた。(やる気のある学生はこの時期に初めてコンタクトを取るなどしないので注意。3年秋とか冬に連絡とってるはずだからこの遅さは異常)面談前に質問リストを作成したA4 1枚分ぎっしりと質問が書けた。これはたまたまだったけど、今の研究室の教授が京大出身で、そこで助教時代に教えていた学生が受験先の准教授ですごく親切にしてくれた。過去問を送ってくれた。
受験教科は専門基礎科目100点、英語100点、研究室ごとの専門科目100点、面談(10分ぐらいで終わるしこれで落とされることはほぼない)多分6割取ればほぼ確実に合格できる難易度と思う。たまたま高校の同期で自分と同じ様に他大学から京大の生命科学研究科に合格した人がいたので対策法なども聞いた。
5月末〜7月
実験をしながら勉強していた。あんまり集中できなかった気がする。この時期は受験先からおすすめされた教科書「エッセンシャル細胞生物学」という900ページ近い専門書をひたすら読んでいた。半分ぐらいしか終わらなかった。6月の中頃に初めて過去問を解いた。2割ほどしか取れなくて絶望を感じた。
7月〜
研究室はそもそもコアタイムがないホワイトだったので院試1ヶ月前の7月10日ぐらい〜院試休みをもらった。出願をした。書類が提出期限の1日前に届いたため、受験番号1番になってしまった。とても緊張した。
7月中頃までにエッセンシャルを全て読み通した。読み通すだけではなく、現象を頭の中でイメージしながら読んでいた。教科書の矛盾点を探し出すように読んでた(何個か見つけた)。生物は深入りすると難しくなりすぎるので曖昧な表現とか、正しくはないけど説明するためには便利な表現などがあるのでそれらを注意しながら読んでいた。読めば読むほど疑問点が出てくるし、語区同士の区別などはややこしい部分があったりした。教科書を読んでいて疑問に感じたことはすぐにネットで調べた。ネットは便利です。たまに間違った情報あるけど。章末問題を解いたり、語句の確認をして基礎知識を身につけることを徹底した。
教科書を8割ほど読んだところで過去問と教科書を並行していった。
過去問演習→予想配点で厳しめに採点→教科書の該当章の復習、ノートに要点をまとめる→他大の過去問(阪大理学院、九大農学院、北大総合化学院、東北大のどっかの院)からの類題演習を1週間サイクルで繰り返していった。阪大理学院は京大よりも若干易し目で、大学が公表している解答もあったのでかなりやり込んだ。上のサイクルを回すことで、その分野はほぼ完璧になって怖いものがなくなってきた。
専門基礎科目は2割→5割→6割→7割→8割と過去問演習と教科書の復習、類題演習を繰り返すことで8割ほど取れるようになっていった。
英語は専門用語がちょっと出てくるぐらいで、京大の学部入試の問題をやや簡単にした程度の英文が出てくるのでそんなに対策しなかった。安定して6〜7割は取れていたと思う。
研究室ごとの専門科目は対策に苦労した。
基本は教科書を読み込むことだったが、それに加えて研究室が出した論文、ガンに関する本は読んだ。
8月に入る前に過去問をほとんど終わらせたし、最後の方は7割は安定して取れていたと思うのでほぼ合格するだろって思ってた。8月に入ってからの1週間ほどで過去のノーベル医学生理学賞、化学賞の生物よりのものの受賞テーマをチェックして調べる。京大卒の研究者による研究成果をチェック(例えば、竹市雅俊さん(後20年長生きすればノーベル賞取れるかも?)のカドヘリン、山中伸弥さんのiPS細胞、笹井芳樹さんのコーディン、森和俊さんの小胞体恒常性など)をチェックし、直前期は頻出テーマ(やはりiPS細胞、ES細胞、CRISPER Cas9)を総復習してた。
こうして振り返ると、我ながらよくやったと思う。これだけやれば文句なく合格できるはずですね。院試は落ちたら恥ずかしいって思いと、やはり京大に行きたいという思いが強かったのでかなり本気で勉強した気がします。
8.4 実家(大阪)に帰省した
8.8 試験当日
全教科が終わってほぼ合格を確信した。後日自己採点したら7〜8割は取れていて結構上位で合格したのでは?って思ってる。
8月後半 自分の大学の大学院の試験
京大の試験後気が抜けてあまり勉強できなかった。1週間しか勉強してなかったので絶対落ちると思って試験を受けた。戦略としては、選択問題で生物系の問題を選べば半分ぐらいは京大の院試対策部分だったのでそこを時間をかけて解いた。生物系の部分は8〜9割は取れていると思った。残りの部分は半分ぐらい解いて諦めた。全体的には6割ぐらい取れたから多分受かったかなって思った。
8.26 合格発表
まぁ、受かってた。一安心した。
8.30 教授から突然自分の大学の院も受かってるよって言われた。「あー、そうなんですかー」って言ったら「うちには興味ないんだね」って言われて怖かった。そんなことはない。
こんな感じが僕の院試。京大対策にはかなり力を入れた気がする。でも院試対策で勉強したことが今の研究にも役立っているのでちゃんとやってよかったと思う。
他大学の院を受験することは難しいと思われがちだけど、やる気があって本気で勉強すれば大体受かるので本人のやる気次第でしょう。過去問がとても役に立つので過去問は必須だと思う。
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