「伊勢の旅」海に入った編

　昼飯はハンバーグ・野菜炒め定食のほかに、カツカレー・焼き飯くらいかな？
なんせ海の端の「海の家」風、ほったて小屋やから、たいそうなもんはないねん。
潮風を浴びながら、錆びたテーブルにギシギシ鳴るパイプ椅子
でも誰も文句も言わず、ひたすら待つ。

　大阪やったら「おばちゃ～ん、まだぁ～～」「おばはん！ええ加減にせいよ！」「もうええわっ！帰る！！！」ちゅうレベル５くらいの遅さやけど、皆「待つ」。俺も待つ、ハゲもトンコツも待つ。皆・・・待つんや

　めちゃ待って出てきたら、一揆食い。
なんせ暑くて、はやく目の前の海に入りたくて入りたくてここでもマーが活躍。
サーフボードとボディ－ボードを二枚づつ用意してくれてる。

　わしゃもう３０年くらい前になるが、サァ～ファ～やった時代がある。
ロン毛で、ＴシャツにＧパンがよく似合ってた。頃もあった・・・
皆始めての経験で、サーフィンってなことをしたことがない。
マーの指導の元、大人も子供も皆楽しく波乗りに興じる。

　横の誰かが「ビッグオーシャン来た～」と叫ぶ。
ノブやった、でっかい海が来たらしい・・・
その横にいたマーもトンコツもひっくり返って「なんで、でっかい海来んねん！」
奴はオーストラリアに一年も居たのに、ビックオーシャンになった

　日頃体を焼いていない連中ばっかしで、我々の軍団は「白いメタボなうるさいグループ」になっていた。
ものすごく「海」には似合わない軍団で、白くメタボな連中と、きちがいじみたガキ共の周りに「まったく他の客はいなかった」。

　中には海に来てるにもかかわらず、体中を布で覆い隠す奴。
でっかい日傘みたいな帽子かぶりながら、サーフィンする奴。
手に結ぶ紐を、足に結びながら乗り難い～～って叫ぶ奴。
怖い怖い～～って言いながら、サーフボードに乗ったら、スッと立つ奴。

　あんな奴や、こんな奴と久しぶりに過ごした『海』。
皆、風呂入ったら「気が狂うほど痛いどぅ～～」ちゅうくらい日焼けしとる夕方早めに片付けて、いよいよバーベキューの段取りや
これがメインイベントやから、皆気合はいっとるがな