どうだかね？

　

　医学って、どこまでも進むのね…
もうあかん！って言うても、鼻からも口からも喉からも手足からも…あっちゃこっちゃから管突っ込んで、長い事生きられる。

　意識も無きゃ、別段苦しそうでもない。
ただ平然と「寝てる」…じいさん。なんの反応もない、けど生きてる。
　
　来たで！わかるか！と言うと、他の人には反応せえへんかったのに、わしが行って、声掛けたら、笑ってうなずいた、ばあちゃん。
と、誰誰が声掛けたら動いた！とよく聞くが、わしも経験した、ばあちゃんが動いた。

　おやじは胃癌で、80歳の時「全摘」した。
...

医者は「このままやったらあと半年～一年です。高齢やけど、摘出したら、他に転移してる癌と、おやじさんの生命力の戦いで、長生きされる可能性は大です」とのこと。

　家族とすりゃ～ちょっとでも長生きして欲しいのが人情。
先生、取ってやってくれ。
あとは、おやじの生命力と、運の強さに掛けるわ！ってなことで、早速取ってもらった。

　もう4年が過ぎる。
骨と皮だけで、ガリガリになった体も、ちょっと回復した。
食いたいもんも、食う。
年に数回、唯一の趣味の鮎釣りにも行く。
肺附近に転移してる「癌」と共存共栄しながら、己が癌患者と知らずに・・・・・
今日、まだ『元気！！！』

　お袋も、七年前に大腸癌を摘出。
長年リュウマチで苦しんでて、季節の変わり目には、ひどく痛いらしく…見てるのも辛いが、本人が一番辛いんやろな。
五年前には、心の臓附近にバイパス工事を施す。
病気の百貨店と、本人は笑う。

　あんたらの「病」全部私が引き受けたる！
あんたらが健康やったら、私はなんぼ病気になっても大丈夫や。負けへんから、心配すな！
と、本気で言う「肝っ玉おかん」である。
百貨店らしく、日々どっかの病院に通いながら、今日もおもっきし『元気！！！』

　医学の進歩に感謝するし、ある意味・・・・・・・
こりゃ～誰も死なんわ。
高齢化社会になるちゅうねん、死なんねんから・・・・と、ふと思う。

　「おかあちゃんの腹の中のあかちゃんが、ダウン症かどうか、調べられる」とか聞いた。
うちは親戚が多い。
身内に身障者も数名居る。
皆、賢いし、優しい奴等や。

　何のために「調べる」んやろ。
生まれて来る子供のため、家族のために色んな知識を持っておくのもよし。
事前に母親として、学んで置き、覚悟を決めておかなければならないこともあるかもしれん。
と言うが・・・・・・

　医学の発達…クローンも含めてやが、不要な研究も多いんとちゃうんやろか？
アホなわしらには理解できんが、ただ医者とか科学者の「欲」を満たしてるだけやないん？

　人・人間には「運命」ちゅうもんがある。
誰でも長生きしたいし、楽なままあの世へ行きたいのが心情やろ。
しかし、皆が皆、そないうまいこといかんわいな。
そこで、ちょっとだけ手助けしてくれるんが、医者でええやん。