
舅が入所しています
かれこれ5年になるかな
入所することになった原因はアルツハイマーの発症です
妻を亡くし(私からは姑さん)しばらくぼうぜんと暮らしていたところ
平らな場所で頻繁に転倒するようになりました
元気で頑丈な昔堅気な舅なので誰も病が潜んでいるなんて思いもしませんでした
そのうちに首の後ろに大きなこぶができ神経を圧迫されそれが原因で転倒すると診断され
大がかりな手術をしました
約3か月にわたる闘病生活で何もかもすっかり忘れてしまった舅
狭い部屋のベッドの上だけが唯一の居場所である病院は老人の脳細胞を蝕むには格好のチャンスだったのでしょう
退院後はディサービスへ通う毎日でしたが喧嘩っ早くほかの利用者さんとのトラブルが絶えませんでした
施設を何度か替えて落ち着いたのがこの施設です

毎週家族と一緒に見舞いにいきましたが今では誰が来たのかも認識できないようになりました
こちらでも喧嘩はありましたが職員の温かい見守りのおかげで大事に至らなかったのは幸いです
顔も認識せず会話も成り立たない親子の仲となってから家族のひとりは見るに堪えられなくなったのでしょう
だんだんと足が遠のき始めました
毎週が月1になり半年になり今ではほとんど私が見舞いに行くだけとなりました
家族の悲しい空しい気持ちもわからなくはありませんが後悔だけはしてほしくないと内心思います
他人の嫁ならではの考え方かもしれません

焼き芋やバナナも好きな舅は甘いものにも目がありません
この日はスナック菓子とアップルパイをおいしそうに家族と食べました
牛乳も水も飲みほして満足そうな表情は子どものようでした
まだ自分で歩けるので寝たっきりにならないことを願うだけです
アルツハイマーの特徴は歩くことです
とにかく歩く歩く歩く
建物内部も歩くことができるような作りでいつでも自分で好きなだけ歩けるようになっています
怖いのは転倒ですが心配しても始まらないためただ祈るだけです
行きは私もこころが重いのですが帰りは来てよかったと思えます
次に行くときにはどんな甘いものをお土産にしようかと考えながら・・・・