「ワクチンが危険だと言いたいわけではありません。 ただ、私たちの父がワクチンを打った翌日に息を引き取ったこと、 そしてその後の警察や行政の対応に翻弄されたのも事実なんです……」
そう語るのは、6月10日に急性の「虚血性心疾患の冠状動脈硬化症」で亡くなった川崎市在住の岡部哲郎さん(仮名、71)の三男だ。哲郎さんは亡くなる前日の6月9日、川崎市の大規模接種会場で1回目のモデルナ製ワクチンの接種を受けていた。
■■「ワクチンの接種と父の死に関連があるのでは?」という疑念■■
「ワクチンの接種と父の死に関連があるのではないか?」と遺族は不安に思い、警察もまた哲郎さんの死因について外部の医療機関に委託して、検査を行った。その結果、哲郎さんの死とワクチン接種との間には「関連がない」と結論付けられたが、遺族にはその検査の詳細については知らされなかった。
また、遺族側は「哲郎さんの死因を調べた検査結果」が厚労省の「ワクチンの副作用について検証する」部会で活用されるよう望んだが、 担当した医師は当初「報告するケースに当たらない」として、 遺族側の要求を拒んだという。 哲郎さんの三男は、文春オンラインの取材にこう訴えた。
「多くの人の命を救うワクチンは大事なものだからこそ、 ワクチンを打った後に人が亡くなるケースが生じた場合には、 それがワクチンの接種と関連があったのかどうか遺族が十分に納得できるまで検査することが必要だと思うんです。
そうでないと私たち遺族は何時まで経っても 『父はワクチンを打ったから死んだのではないか』という疑念を拭い去ることができません。 そういった観点からも、国はもう少し手厚い体制を整えるべきではないでしょうか。 残された家族が抱える大きな負担についてもぜひ広く知ってもらいたいです」
■■主人は泡を吹いていて、救急隊が懸命に心臓マッサージを…■■
昼に主人が好きなアイスの『ガリガリ君』を食べて、夕方には日課の散歩に行きました。その間もずっと『腕が痛い』と言い続けていました。それでも食欲も普段どおりで、夕飯の里芋の煮っころがしとアジの干物も私の分までペロリと食べていました。20時半頃にまたアイスを食べて、寝る前にトイレへ行ったのですが……」
しばらくして妻が部屋を出ると、哲郎さんがトイレの前で仰向けに倒れていたという。
「最初は寝ているのかと思い『こんなところで寝ていたら風邪ひくで』と言ったのですが、反応がない。 慌てて隣の家の方にも助けを求めて、救急車を呼んでもらいました。 そのときには主人は泡を吹いていて。 救急車の中では救急隊の方が懸命に心臓マッサージをしてくれましたが、 搬送先の病院で23時43分に死亡が確認されました。 あまりにも突然でその時は何も考えられなかったんですが、 徐々に『もしかしたら前日に打ったワクチンが原因だったのでは』 という思いが大きくなっていったんです」 |
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