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人も動物も虫も木も花も石も川も建物も・・・もちろんゴミもな。」
「ゴミも・・・?。」
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よっても違うしのぅ。」
「へぇ~、じゃあわたしたちは、瞬間瞬間にいろんな波動をだしているっていうことですか?。」
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似た波動同士は引き寄せあい、似ていない波動同士は離れていくという性質があるのじゃよ。」
「まるで磁石みたいですね。」
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という言葉があろう?あれと同じ。」
「なるほど。」
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まわりに集まってくるものが決まる。
自分が今どんな波動を出しているか知りたかったら、
自分のまわりにどんな人がいるかを見れば、一目瞭然。」
「なるほど。・・・ってことは、
あのタバコの吸殻を捨てた人のまわりには、
ゴミを捨てるような人が集まってくるってことですね?」
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これを波動の法則という。
自分が蒔いた種は、良いものも悪いものも、めぐりめぐって
いずれ自分のもとに戻ってくるようになっておる。」
そう言えば、昔おばあちゃんが言ってたなぁ・・・。
良いことも悪いこともちゃんと自分に返ってくるって。
お天道様はちゃんと見てる。だから悪いことはしちゃいけないよって。
子供の頃は信じてたけど、いつの頃からかその言葉はだんだん真実味をもたなくなっていった。
言い伝えや教訓めいた響きに聞こえた。
世の中には良い人もいっぱいいるけど、悪い人もいっぱいいる。
その人たちみんながみんな、自分の撒いた種を刈り取っているようには思えないのだ。
良い人なのに、苦労の連続の人もいるし、
罪を犯したのにまんまと逃げおおせて、時効を迎えた犯人もいる。
それってどうなんだろう?例外ってこと?
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なんでも仙人がぼそりと言った。
「例外はないんですか?」
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遅かれ早かれ、どの者もみな自分の撒いた種を自ら刈り取るようになっておる。」
「そうなんですか?う~ん、でもなんか納得できないんですよね~。
本とかにもそのようなことが書いてありますけど・・・。」
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「そうですねぇ・・・、しっくりこないっていうか。
なんかこうズバッと納得できるように教えていただけませんか?」
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私は興味津々の目でなんでも仙人の答えを待った。
なんでも仙人は車の天井をぼんやり見上げながら、静かにこう言った。
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このしくみには実に深い意味があるのじゃが・・・、
今のそちには少々理解が難しいであろうなぁ。
まぁ、そちが受け取る時期がきた時に、おいおい話していくとしようかのぅ。」
そう言うと、それっきりなんでも仙人は口を閉ざしてしまった。
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『あなたのまわりには、どんな人がいますか?』