直列☆ちょこれいつ

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歯車と滑車

2014年03月16日 | ちょこのひとかけ


ボタン自動押し機は一応できましたが、
あれはマブチモーターでRE-260かRE-140タイプしか使えません。
何かを分解したときに出てきたモーターをとってありますが、
そのうち三つはRE-280です。
これを自動ボタン押し機に使えないかと、適当に機構を考えようとしてみました。

普通のモーターはものすごい回転数なので、
これをどうにかして落とさなくてはいけません。
どうやって落とせばいいのかとモーターをまじまじと見てみます。

モーター自体につけるギアを大きくしたら、回転速度は落ちるでしょうか?
とりあえず考えてみると、元歯車が1秒で一回転するとなると、
それを大きくしたところで1秒で一回転しそうなので、
元歯車の大きさ自体では速度が変わらないことがわかりました。

では、元歯車を大きくしたら変わるものはなんでしょうか。
と、頭の中で作ってみると、ある一点の回転周期は変わりませんが、
小さい場合と大きい場合とでは移動距離が変わっていました。

歯車一回転がボタン一回押しだと考えると、
元の歯車が一回転するときに、一回転以下になれば速度を遅くしたと言えます。

元の歯車の外周が5cmだとすると、一回転は5センチ。
元にくっつける歯車の外周を5cmより小さくして1センチだとすると、
元歯車が一回転する間に次歯車は五回転もしてしまいます。

ここで元歯車を10cmにすると、元歯車が一回転する間に
次歯車は10回転することになります。
つまり、元歯車はなるべく小さいほうがいいこと、
次歯車には元歯車の移動距離分がそのまま伝わるということがわかりました。

では、元歯車はモーターについているのでよしとして、
大きな次歯車を動かすにはどういう方法があるのでしょうか。
わたしには歯車を作るような技術などないので、
どうにかして歯車か円盤ふたつを動かせるしくみを考えなければいけません。

元歯車の円盤に歯をつけ、次円盤にも歯をつければ、それは歯車です。
元円盤と次円盤を離し、ベルトでつなげばプーリーです。
元円盤と次円盤に棒を立てて、それを連結させれば機関車のようになります。
でもどれも今ひとつよくわかりません。
もし、プーリーの紐を切って、動輪に立てた棒に片側を結んだら……?

と考えて、はっとしました。
小さいほうで距離を稼ぎ、大きなのはゆっくり。
小さいほうの運動量をたくさん使うことで、ようやく次円盤が動く仕組み。
それは、滑車です。
滑車とギアなんてまったく別物だと思っていましたが、
小さいほうの移動量を増すことで、大きいほうをゆっくり動かすというのは
ギアも滑車も共通原理なのだと初めて頭にしみて、なんだか感動しました。

それから今思いついたことでは。
歯車や滑車は、元歯車を動かす距離を増やせば、体感重量は減ります。
100キロの石を1m動かそうとしても動きませんが、
間にギアを入れれば、50キロの石を2m動かすパワーで、元の石を移動できるのです。

元ギアを小さくしてたくさん距離が必要になるようにすれば、
体感重量は元よりもずっと減っていきます。
ギアつきの自転車で、坂道をのぼるときに
たくさんくるくる回すというのは、こういうことをやっていたのかと
ちょっと閃いてわくわくしました。


それから、最初のほうで書いた元歯車の性質。
元歯車は大きさを変えても回転数が同じ。
大きな外周も小さな外周も、一点の移動距離が変わるだけで
移動時間は同じです。
そして、元歯車は小さいほうが、次歯車をゆっくり動かすことができます。

となると。
小さな元歯車に対して大きな歯車をかませれば、その歯車は回転数が落ちます。
これを一次歯車として、その歯車に外周が小さな歯車を重ねて接着したら、
落ちた回転数のまま、外周距離だけ小さくできます。
この小さな歯車に次の歯車、二次歯車を大きなものをつけたら
さらに回転数が落とせるはずです。
その二次歯車にまた小さい歯車を接着すれば、
さらに遅い状態を次々作れるはずです。
これを繰り返せば、どんな早いものでもものすごく遅い運動にできます。

そんなに歯車がいっぱいあったら、時計だって作れちゃいそう――
――と思って、またはっとしました。
実際、時計ってそうやって動力と速度を伝達して作られているのでしょう。
一日の時計でなく、366日のカレンダーを動かすような、
ゆっくりの年時計も、そういう歯車を組み合わせて文字盤を動かしているはずです。

いままで考えもしなかった謎技術が自分の中にしみてきて、
すごく新鮮な驚きをあじわいました。

新しいことへの挑戦が、あたらしい発見を生むのは楽しいです。
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