直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

たこあげ

2023年01月14日 | ちょこのひとかけ

イカ……
するめなどにする、足が十本あるあの生き物を
ご存知ない人はいないでしょう。
でも、あのイカ、空を飛ぶことがあるというのはご存知でしょうか。

ある種のイカは敵に追われたときなどに
海面を長い間飛行するということは、昔から漁師にはよく知られたことでした。
また、捕らえたイカを干してスルメ・アタリメにする、というのも
漁村ではよく見られた光景でした。

そこから、漁村の人々は紙に糸をつけて空に上らせる遊びを、
『飛びイカ』や『イカのぼり』と呼んで楽しみました。

でも、時代がたつにつれ、国内では連イカや巨大イカなど
はでさを競うものになっていき、争いも起こり始めたので
幕府はイカのぼりを禁止します。

でも、そこは人々のしたたかさ。
イカのぼりを、糸をつけたイカ、『イカイト』とし、
逆から呼んで『カイトイ』としました。

そのころ、外国との交易も広がり始めていたため、
カイトイは外国にも広がっていきました。

その後、贅沢を禁止する機運がたかまり、
幕府は『カイトイ』も禁止します。
すると民衆は、イカと同じく骨もなくふにゃふにゃしているからと
今度は『イカのぼり』を『タコのぼり』に変えました。

スルメを磨る目として縁起が悪いからとアタリメと呼び、
酒を般若湯と呼びしたのと同様です。

この『タコのぼり』が、現在の『凧揚げ』の
タコになったのです。

一方、外国では言葉遊びは必要なく、
政府からも禁止されることはなかったので、
『カイトイ』の名と形が残り、
今でも『カイト』として親しまれています。
カイトの形がイカの耳の形をしているのも、
かつてのイカのぼりの名残なのです。

参照:民明書房『フライ イカ トゥ ザ スカイ』多胡 安芸琉 著
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