車の燃費が発表されている数字より悪かったとかで
いろいろ話題になっていますが、
正直あれの何が問題なのかまったくわかりませんでした。
わたしもPC周りの機器を扱っている会社にいましたが、
似た問題はプリンタで感じました。
たとえばあるプリンタで印刷できる枚数が約3000枚と書かれていたとします。
でもそれはA4 5%印刷(えーよんごばーせんといんさつ)という
限られた状況の場合のみ、つまり本当の理想時のみの枚数です。
たとえば、「あいうえおかきくけこ……」の五十文字を印刷したら
A4 5%印刷になったとしましょう。
ではその文字の二つを、見出し記号の■に変えたらどうでしょうか。
使うインクの量が増えるため、3000枚には決してとどかないことでしょう。
実質的に印刷できる枚数は、カタログ記載の3000枚いくことなんて
普通ありません。
A4 5%印刷の元になっている文章はなにを使っているのか、
その文章は本当にそれを標準としていいものなのかは
かねてから疑問がありました。
プリンタ以外にも、不動産屋にも似たものを見かけます。
「駅から徒歩8分!」
あんな表示にしたがって歩いてみたところで、
実際に駅から8分で歩いていける物件はまずないと思います。
ああいうのは不当表示にならないのでしょうか?
それから、昔はよく広告を打っていた、高速通信回線も。
「1秒あたり24Mbitで通信できます!(ベストエフォート時)」
などと書いてありましたが、だれかベストエフォートで
1秒あたり24Mbitで通信できた人はいたのでしょうか?
そもそも理想値を出すことになんの意味があるのでしょうか?
カタログスペックなんて、『こんなふうにできたらいいよねっ♪』
という冗談の理想像です。
何かのものがカタログスペックを発揮できることなんて
まずありえないというのは一般生活でのお約束です。
なのになぜ、車ばかり不正だ不正だというのか
本当にわけがわからなかったのですが、
燃費に不正をしたら税金が安くなるかなにかだったようです。
実際の問題は燃費の不正記載にあるのではなく、
不正記載をしたことによる、税金の優遇措置の悪用だの
詐欺だのだったみたいで、
あまりのばかばかしさにびっくりしました。
車の燃費不正が問題となったのだったら、
これをきっかけにしてその他の不正や理不尽な表示、取り決めを
全部みなおすくらいすればいいのに。
なにかの会社だって、実質的な営業は日本でやっているのに、
本社を適当に外国にしたら税金が安くすませられて
差額分を設けられるというのは、常識的に見て不正でしょう。
そもそも車や工業製品も、部品をほぼ全部外国で作っても
組み立てとチェックを日本でやったら日本製になるって、
それは常識的に見て産地の不正でしょう。
根本的なところから不正やいんちきをなくす動きにつながればいいのに、
場当たり的に騒ぎ立てるくだらなさにはうんざりです。