直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

沖縄弁『海人(うみんちゅ)』などの『んちゅ』の語源

2021年05月27日 | ちょこのひとかけ
沖縄弁の『海人(うみんちゅ)』や『島人(しまんちゅ)』。
共通弁でぱっと見ると、
『海の衆(うみのしゅう)』や
『島の衆(しまのしゅう)』の
『の衆』がなまったように思えそうですが、
まったくそんなことはないのだというお話です。


ところで、沖縄方言では、『お米』のことを『んちゅみ』と
言うこともあるようです。

沖縄方言では母音の下二つが基本的には欠けるので、
それらは近い上三つの音に吸着されます。

すると、『おこめ』は『うくみ』。

沖縄方言では、『k』が『t』になる変換、『k=t変換』が
起こりやすい傾向にあります。
変換子と変換式については『言語の変換式』という概念があると
わかりやすくなります。

すると、『うくみ』は『うつみ』。

重い発音の方言では、『う』と『ん』は混同されます。
たとえば、『そうだそうだ』が『んだんだ』となるように。

すると、『うつみ』は『んつみ』。

それから、『つ』の音ははっきりとしているため、
活舌を悪くすると『ちゅ』になります。
たとえば、『爪きり(ちゅめきり)』、『辛い(ちゅらい)』など。

すると、『んつみ』は『んちゅみ』。

こうして、『おこめ』は『んちゅみ』になるわけです。


これを踏まえて。
古語寄りの単語を見てみます。

『蔵人』は『くらひと』『くらんど』『くらうど』『くろうど』。
『玄人』は『くろうと』。
『素人』は『しろうと』。

『人』の『ひと』部分が『うと(うど)』や『んと(んど)』になっているのが
わかるはずです。

では、これに沖縄弁変換をかけると。
母音の『o』が使えないので『u』に変換されます。

人=『うと』→『うつ』
人=『んと』→『んつ』

先ほど見たように、『つ』は『ちゅ』になりますので

人=『うつ』→『うちゅ』
人=『んつ』→『んちゅ』

これを、『海』や『島』にくっつけてみれば

『海人』=『うみうちゅ』=『うみんちゅ』
『島人』=『しまうちゅ』=『しまんちゅ』

何の異常もなく沖縄弁単語ができあがります。
沖縄弁単語の『んちゅ』は『ひと』が単に沖縄弁変化をしたものであって、
『の衆』がなまったものではないのです。

----
というような話、沖縄弁単語は、共通弁単語がどう変化したのか
というような内容などをまとめたものをキンドルにアップしました。

方言の考え方、見分け方、語源の辿りかたなどに興味があれば
ぜひ見てみてください。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ピンバイス的なもの | トップ | みみんぢや »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ちょこのひとかけ」カテゴリの最新記事