そろそろセンター試験だのなんたら試験だのの時期です。
いまごろになると、いろいろなところが便乗グッズなどに手を出し始めます。
『試験に落ちなくする○○』、『滑らないための××』などです。
でも、試験とは、一定数必要な場所に
必要数以上の人数が来たものを落とすためのものです。
定員50人の所に100人来て、それぞれが
『試験に落ちなくする○○』や、
『滑らないための××』を持っていたらどうなるでしょうか。
もちろん、全員が受かることなんてありません。
『試験に落ちなくする○○』や『滑らないための××』は、
その名前がついているのに、名前の効力を発揮することはできません。
でも、その物品がそう名づけられているということは、
その名前には言霊が宿っているわけですから、
言霊は自分が持つ意味を実現させようと効果を発揮しています。
手にした全員を試験などに受からせるとする、お守りたちのテーゼ。
でも、全員は受かれないというアンチテーゼ。
それを解決するのは――
手にする人数が少なくなって全員受かる世界にすればいい、という
アウフヘーベンです。
そう、実は日本の少子化は、試験に全員が受かればいいとする、
この時期に乱発されるお守りにこめられた言霊によって発生しているのです。
学校であれば少子化による定員割れからの全員合格で済みますが、
これが会社や社会に起こっては、全員合格どころの話ではすみません。
労働力が足りなくなるからです。
するとどうなるかといえば、外国人労働者や
不法労働者の流入を招くことになってしまいます。
……かどうかは知りませんが、
持った全員が手術に成功するとかの
全員がいいことになってもだれも困らないものならともかく、
誰かが受かれば誰かが落ちるような試験に対してのお守りのような、
はじめから矛盾を含んでいるものを乱発するのはやめて欲しいと思います。