原爆ドーム前に集合。平和公園の研修が始まる。参加者は私を含めて7名。広島市観光ボランティアガイド協会に英語のガイドさんをお願いした。私たちが全員、通訳案内士だと伝えると、ガイドをする人が臆するので手が上がらないかもしれないと言われたが、

この方がガイドをしてくださった。もちろん戦後生まれだが、お父さんはシベリアに抑留されていて昭和24年にようやく日本に帰ってこられたそうだ。

爆心地(エピセンター)。島病院。ここの上空600メートルの地点で、原子爆弾は炸裂した。

被曝地蔵尊。原爆の熱線がほぼ真上から来たので、熱線を受けたところはざらざらで、さらされなかった台座はツルツル。お供えのお花が新しい。

動員学徒慰霊塔。戦争中、学徒動員や勤労奉仕で命を落とした若者の魂を慰霊する塔。8羽の鳩が、飛び立とうとしているが、、、

塔の下にある像。3つの宗教を象徴しているそうだ。仏教、キリスト教、神道。

塔の後ろには『戦没学徒出身校』が刻まれていた。母の出身校である『市岡女』もあった。母は昭和16年に市岡高等女学校に入学し、ほとんど勉強せずに、20年を迎えた。3月の大阪大空襲では九死に一生を得る体験もした。当時女学校は5年制だったが、母たち4年生も昭和20年にどさくさに紛れて卒業させてもらったそうだ。女学校時代は近くの工場で勤労奉仕をし、行き帰りにみんなで軍歌を歌ったことが懐かしい思い出になっている。

平和の時計塔。毎朝8時15分に音楽が流れるそうだ。どんな音楽か尋ねたら「8時15分に来てください」と言われた。

原爆供養塔。身内の見つからない遺骨や氏名の判明しない遺骨、7万柱が納められている。ここにも新鮮なお花が。

この内部の写真は、ネットで見つけた。

『原爆の子の像』の前に、行儀よく座る小学生。12歳で白血病で亡くなった禎子さんの同級生が、原爆で犠牲になった子どもの霊を慰めるために、募金を集め、3年後にこの像を完成させたそうだ。小学生は来るべき場所だ。

捧げられた千羽鶴は、リサイクル紙になり、卒業証書に使われるそうだ。地元のガイドさんだからこそ、教えてもらえるお話し。

原爆死没者慰霊碑。

『過ちは繰返しませぬから』の主語はweで、過ちはthe evil だった。毎年、8月6日の式典で、新たに亡くなった方の名簿がこの石棺に入れられる。中はどうなっているのだろうか、紙は虫に食われたりしないのだろうか、といつも疑問に思っていた。

ガイドさんのおかげで疑問が解けた。この写真を見せてくれた。毎年5月第3水曜日に、名簿の『風通し』をするそうだ。今年はG7が広島で5月19日から21日まで行われたので『風通し』は5月24日に実施された。

平和記念資料館の前で、ガイドは終了。中身の濃い2時間だった。一旦、解散して、自由行動の時間にした。私は昨日、資料館に入ったので、1人で平和公園を散歩して、実際にガイドをするときの動線を考えた。
爆心地に近いこの辺りは、今では緑豊かな公園になっている。原爆が落とされた直後は、70年くらい草木も生えないだろうと言われていた。1954年に当時の広島市長が樹木の寄付を呼びかけた。この木は1959年に献木されたソメイヨシノ。

これは、今年のG7で首脳たちが植樹したソメイヨシノ。核の廃絶を唱えることのない首脳たち。

12時過ぎにフェリー乗り場に集合。『世界遺産フェリー』に乗って、いざ宮島へ。


今度は女性のガイドさんが、宮島港で私たちを待ってくれていた。

神の島、宮島には神職しか住むことを許されず、一般人が住めるようになったのは、江戸時代になってからとお聞きした。これは『寝観音』 横になった観音様を右側から見たらこうなる。さすが、神の島。

日本三景碑。三大祭り、三名山、三大瀑布、、、 三が好きな日本人。

ここではシカ煎餅を売っていない。彼らの主食は雑草。ありがたや〜。

厳島神社に向かう。大鳥居の下の『袖貫』まで水が来ていたら要注意。神社はクローズするので、大急ぎで走ること!と教えていただいた。

神社は水に浮いているように見える。石灯籠には毎晩、LEDの電気が灯されるそうだ。夜に来てみたい。春日神社の灯籠は、確か年に2回だけ点灯される。

水の中に立っている柱は、頻繁に取り替えるそうだ。朱色に塗っている暇はない。

鳥居をバックに写真を写したい人たちの行列。

あっ、楽しそう😄

神社を出て、商店街を歩いているうちに、紅葉饅頭のお店を見つけた。ここでは、まだ温かい「焼きたて」をいただける。

宮島のガイドさんからも、いいお話をたくさん聞くことができた。2018年に、ある旅行会社の研修を3日間、無料で受けることができた。広島も含まれていた。その時の研修より、今回の自主研修の方が、広島に関しては実りが多かった。やはり地元のガイドさんに優るものはない。
帰りの新幹線の中で、穴子ご飯をいただいた。広島で一番美味しい穴子店、『うえの』で買った。「いただきま〜す」満面の笑顔。

私は帰宅してから、夫と食べた。穴子の横にあるものは『広島がんす』 魚のすり身に玉ねぎと唐辛子を入れてフライにした広島の名物。なかなか美味しかった。

充実した2日間だった。2人の広島ガイドさん、一緒に参加してくれた友人ガイドさん、ありがとう。