縄奥ブログ 動画&ニュース

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2023年07月06日 | 動画 ニュース

10話

 
 

 
 「おかしいな… これだけ探して何で皆実のスマホが見つからないんだ? それに皆実と言う人間を知る者が殆どいないなんて…」と、捜査本部の刑事達は焦っていた。だがそんな時、ガンさんは麻美と一緒に居て皆実とのメールのやりとりを頭をカキながら落ち着いて見入っていた。


「奥さん旦那さんは今、何処にいるか聞いて貰えませんか~?」と。ガンさんが照れながら麻美に聞くと麻美は首を傾げながら皆実にメールで聞いた。


「山梨に居るみたいですよ♪」と、麻美は嬉しそうに話した。すると今度は皆実から麻美に「何かあたのか?」と、質問が来て麻美は今までの経緯を皆実にメールで伝えるとガンさんの方を麻美がチラッと見た。

 

 

11話

 

 

 
 皆実の所在が分からないまま警察もガンさんも焦っていた「もしや事件に巻き込まれているのでは?」と、思っていたが麻美はそんなことはお構いなく皆実とのメールを楽しんでいた。そんな麻美にガンさんは「皆見さんに聞いて欲しいんですよ」と、再び居場所を頼むと腕組して顔を顰めて麻美からの言葉を待った。


ガンさんの期待どうりでは無い麻美からは「同じことを聞くな」と、皆実に叱られましたよと、苦笑いしてみせた。するとガンさんは頭を搔きながら「奥さん、山梨の何処にいるのか聞いてもらえませんか…」と、頭を下げると麻美は「いい加減にして下さい!」と、ガンさんから目をそらした。


その頃、科捜研に居た若い警察官は科学の力で皆実のスマホの場所を特定しようと科捜研の研究員たちに何度も頭を下げていた。だが科学と言えど飛んで来るで有ろう皆実のスマホの電波を捉えることは至難の業であるのは当然と言えば当然であった。

 

 

12話

 

 


 麻美の所に数人の刑事が来て「奥さんこの機械を奥さんのスマホに撮り付けて貰えませんか?」と、頭を下げたが麻美は「夫はちゃんと生きてますからそんな必要はありませんから!!」と、甲高い声で刑事達を睨んだ。だが結局麻美は何度も頭を下げる刑事達に押されて自分のスマホに科捜研の研究員が持って来た機械をつけさせた。


そして今日も皆実と麻美のメールが始まったが一時間に数回来るメールに麻美も返信を繰り返していた。ただ麻美も少しずつ刑事達、特にガンさんの言うことが真実なのではないかと思い始めていた。そして麻美は毎日のように皆実に「今日は何処にいるの」と、メールで聞いていた。


そんな麻美の変化にガンさんは見落とさなかった。麻美にガンさんは「皆実さんは毎日、居場所を変えているが何故だろう?」と、問いかけ麻美も「私も気になっています」と、答えた。少しずつガンさんと麻美の距離は縮まっていた。そしていつしか皆実からのメールを麻美とガンさんで見るようになった。

 

 

13話

 

 


 麻美はガンさんに「毎日、居場所を変えるのには何か事情があるのでは?」と、ガンさんにうつむき加減で落ち着いた口調で聞くと、ガンさんは「私も気になっていました。ただ時間的に無理な旅をされています…」と、声を絞った。すると麻美も「私も同じことを考えてました。秋田から九州に行ける物でしょうか…」と、ガンさんの目を見て麻美は続けた。


ガンさんは麻美に内緒で若い刑事達に「誘拐の疑いがあるから極秘で捜査しろ」と、命じた。そんなこととは知らない麻美はガンさんに言われ皆実の写真を数枚手渡し、写真は何枚もコピ―され刑事達に配られた。毎日のように応答を繰り返す麻美と皆実のことから少し離れていたガンさんは警察の元後輩の大幹部を訪ね警察を上げて皆実の行方を追うように働きかけていた。


総勢300人体制で警察は皆実の行方を追っていたが、一向に手がかりの無いまま一週間が過ぎたが麻美と皆実のメールは続いていた。そして警察は皆実の存在が妙だとも考えていた。メールなら本人でなくても打てる。そして本人に成りきる事も出来ると。するとガンさんは麻美に「奥さんと皆実さんしか知らないことをメールで話して下さい」と、笑顔だが目は鋭くなっていた。

 

 

14話

 

 


 麻美はガンさんに言われた通り二人しか知らない事をメールで応答し始めたが、皆実と名乗る人物はことごとく、それに対して答え始めていて不審な点は見当たらなかったことで逆に何一つとして答えを外さない点にガンさんは「何故だ! 何故答えが一致するんだろう! 普通なら記憶の一つや二つ間違えてもいいのに」と、嫌悪を覚えていた。


何を質問してもズバリ答えが返ってくることに麻美は「何か変… 私だって記憶が飛んでいるのに何でズバリ答えが返ってくるんだろう…」と、皆実と名乗る人物に違和感を覚えていた。そしてガンさんは麻美に「失礼ですが、二人が初めて結ばれた日を聞いて見て下さい」と、真剣な眼差しで話すと麻美は「えっ? そ… そんなこと私ですら覚えてないのに…」と、頬を桃色に染めた。


そして麻美はガンさんに言われた通り二人が結ばれた日を聞くと皆実と名乗る人物は何年の何月の何日とメールを返しよこした事に、麻美は「信じられない!?」と、ガンさんを前に真っ赤になって恥じらった。しかも皆実となのる人物はその時の二人の会話やホテルの名前から食事した時の料理まで麻美にメールで返事をしてよこした。

 

 


15話

 

 


 メールだから言えることがあって口では言えないこともメールなら言えることがメールの強みであろうか。皆実と名乗る人物は麻美と結ばれた夜の事を赤裸々にメールで送信してきて麻美が忘れていたことも書かれていた。そんな麻美は「信じられない! そんな… そんなことまで覚えているなんて!」と、隣にいるガンさんに驚きの表情を見せた。


ガンさんは赤裸々な文面に「普通、ここまで記憶しているものだろうか…」と、眉をしかめた。そんなガンさんも人の子であろうかメールに書かれた内容に顔を赤くして読んでいた。だが返信のメールは延々と続いて麻美が返信する間もなくドンドン続いた。そして皆実を名乗る人物からのメールが終わったのは数時間も後のことだった。


「あの… 刑事さん… このメール多分、皆実だと… いえ主人だと思います… だってここまで私達のこと知ってるのは主人だけですから…」と、麻美は深呼吸してから視線をガンさんに向けた。

「そうですね~ 奥さんが言うのなら恐らく本人ですね~ ですがこのメールなんですがここまで詳しくかかれていることに私は何故か違和感を覚えるんですよ…」と、ガンさんは麻美へ視線を向けた。

「はい… 実は私も違和感を覚えるんです。だっていくら主人でも女の私を辱めるようなことはメールでも書かないと思うのです」と、左頬に左手を滑らせた麻美。

 

 


16話

 

 

 

 相変わらず麻美と旦那のメールでの会話が毎日続いていたが、朝から来ていたガンさんが「奥さん旦那さんが居る和歌山の神宮の写真を送って欲しいとメールしてもらえませんか?」と、笑顔で頼むと麻美はガンさんに言われた通り皆実と名乗る人物に伝えた。そして沈黙が始まってから5分後に麻美のスマホに皆実と名乗る人物から神宮の写真が送られてきて麻美は「ほっ」と、胸をなでおろした。


これで皆実が本物であると麻美は確信したが、ガンさんは首を傾げて釈然としない表情だった。そしてガンさんは部下達から来たメールを読みつつチラチラと麻美を見ていた。するとガンさんは麻美に「すいません奥さん、旦那さんに顔写真を送って欲しいと伝えて頂けませんか~」と、申し訳なさそうに言うと、麻美はこころよくそれを承諾し皆実と名乗る人物にメールした。


すると皆実と名乗る人物は「もう勘弁してくれ! まるで警察みたいだな!」と、気分を害した絵文字を使って麻美のスマホに返信が入って来た。すると麻美はその文面をガンさんにみせて「主人は怒ってますよ!」と、ガンさんを睨みつけた。するとガンさんは申し訳なさそうな顔をして「奥さん本当に申し訳ないです」と、数回頭を下げて詫びた。

 

 


17話

 

 

 

 警察本部からメールを受け取ったガンさんは少し顔を強張らせ「何で皆実の件から手を引けと言ってるんだ!」と、左手に拳を握った。どうやら皆実の件は事件性無しとの警察の判断らしかった。だがここでガンさんは本領を発揮し部下の数名に再び皆実を洗えと指示し、自らは麻美の家に数か所の盗聴器をセッティングして麻美の家から外に出たが勿論その盗聴は部下達に録音させていた。


ガンさんは疑っていた。今回の事件は皆実を殺した麻美の狂言ではないかと睨んでいたが果たして真相に近づけるのだろうか。もしガンさんの推理が正しければ麻美への協力者が居ることになるが、それが誰なのかは何れわかることだとガンさんは考えていた。そしてその頃、車で3時間の山の中で人間の白骨死体が発見されニュースにもなっていたが、まさかと考えたガンさんはその足で管轄違いの山へと車で移動した。


麻美は皆実と名乗る人物とメールをしていたが「貴方の顔写真を送って欲しい」と、メールしたものの皆実と名乗る人物が送ってきた写真は何故かその数枚がピンボケで誰の顔なのか解らない事に麻美は「ちょっと! 顔が解らない写真ばかりじゃないのよお!」と、皆実と名乗る人物に怒りの絵文字を入れて抗議の返信した。すると皆実と名乗る人物は「すまないスマホが調子悪い」と、言い訳をした。

 

 


18話

 

 

 「今度いつ帰れる?」と、麻美が皆実と名乗る人物にメールを送ると、皆実と名乗る人物は「今の仕事が片付けば直ぐにでも帰れる」と、軽快な何かで直ぐに返信が来て麻美はその文書に心を踊らせた。そして麻美から離れたガンさんも本部と合流して皆実の生存確認に必死だった。現在警察は皆実の生存を確認すべく日夜聞き込みに汗を流していた。そして麻美のスマホに撮り付けられた機械がようやく功を奏してそのデーターは速攻で警察本部の係員に転送され皆実と名乗る人物の居場所の特定に繋がった。


警察は科捜研と協力して皆実と名乗る人物のスマホの場所を特定するために数百人規模の警察官と科捜研の研究員と共にスマホを探し回った。その間、麻美は皆実と名乗る人物とメールを楽しんで居た。警察と科捜研で発信されている電波を追って居ると皆実と名乗る人物のスマホが見つかった「ここだ!!」と、科捜研が電波を追う機械を地面に当てて大声を発した。そして科捜研の研究員の周りを大勢の警察官が囲むと、研究員の指さした場所を見てそのばに居た全員が背筋の凍る思いをした。


科捜研の研究員が指さした場所は皆実家と書かれた墓の中だったことに警察官や科捜研も背筋を凍らせた。そして墓の管理会社に墓の中を調べさせて欲しいと許可を求めたが故人の遺言で墓の中は公開出来ないと突っぱねられた。その頃、墓地に居た科捜研の研究員はアンテナの付いた装置で墓の周囲をくまなく探すと間違いなくスマホはここに埋葬されていると悟った。墓地の管理者に突っぱねられた警察の責任者は直ぐに裁判所へ部下を行かせ、墓の中を探すための許可を求めた。


だが時同じくして、墓地の管理会社の顧問弁護士が裁判所に出向いて警察の要望が違法であると指摘した上で警察の嘆願は功をそうしなかった。警察の責任者は「何故だ! 何でそこまでして墓地を守るんだ!」と、頭を抱えた。

 

 


19話

 

 

 

 不思議な事があった。仮に墓の中に皆実と名乗る人物のスマホがあったとして、誰がスマホを墓の中に入れたのかと言う重大な疑問だった。そしてもっと奇妙なことは墓の中に入っているであろうスマホから奥さんである麻美に、どうやってメールを打っていたのであろか。しかも今も麻美は皆実と名乗る人物とメールを楽しんでいる事実であった。


墓の中が見れない以上、科捜研が出来ることは携帯用のレントゲン撮影機で墓の内部を見る方法だったことで警察の責任者に申し入れた。すると警察官の責任者は「うおおー!! そ! そんな技術があるなんて!」と、そばの警察官達と歓喜した。そして墓の表面に機械を当てると小さなモニターに墓の内部が映しだされた。すると科捜研の研究員が「あった!! ありました!!」と、叫んだ。


小さなモニターに白黒で映しだされた映像には確かにスマホのような物があって大勢の警察官達はガッツポーズをして歓喜した。だが警察の責任者は墓の中にスマホがあって誰が墓の前にある墓石を避けて中のスマホを使用したのかと言う点と、墓石が動かされた形跡が無い事だった。早速、警察の責任者は鑑識を呼んで墓石の変化を調べさせたが鑑識の責任者は「妙ですね~ 墓石は動かされた形跡は無いのですよ…」と、警察の責任者に首を傾げて呟いた。