どうも、おもしろ同人誌バザールでは謎フード公安委員会とは別の「高橋かずひろ」ブースで谷根千の歴史本「さいくる」とお笑いの評論本「お笑い帝国衰亡史」を売っていた高橋かずひろです。謎フード公安委員会の新刊のカレー本にも記事をちょっと書いてます。
おもしろ同人誌バザール主催の版元ひとりさんの「このご当地カレーがすごい!」の食レポ現場に潜入してきました。
完成した本に載っているカレーは50食+α。とても一日で食レポできる量ではないので食レポは間隔をおいた二日に分けて行われ、そのうち一日の食レポの日に参加させていただきました。食レポのために作られたレトルトカレーを食べる係の一人です。
私が食べたカレーは26種類、味のレポートを書いていきたいと思います。
左上から
三陸あわびカレー(岩手)
アワビをまるまる一個使用した贅沢なカレー。アワビを食べた人曰く「アワビはやっぱりうまい。」そうです。私はアワビカレーのルウだけ食べたんですが「シーフード」まではたどり着いたんですがアワビだけはなかなかたどり着けない。アワビとカレーは一緒にしてはいけない運命なのか?
奥出雲和牛カレー(島根)
王道のビーフカレー、カレーのスパイスがしっかり出ている。肉もスパイスに負けない安定したおいしさ。辛いがうまい。
黒樺牛ビーフカレー(熊本)
肉がカレーと一体化している。カレーそのものがお肉から作られているような感じでルウだけ食べても肉のうまみが出ている。もちろん肉もうまい。
にんにくスプラウトカレー(茨城)
口の中がニンニク無双、それだけニンニクの存在感が強い。もちろんカレーもちゃんと美味しいがカレーが脇役になってしまうほどニンニクが強い強すぎる。ニンニク好きにはたまらない一品。
ちゅら海の防人カレーいなむどぅち(沖縄)
豚肉はとろとろに煮込まれていて、薬膳のようなやさしい味わい。カレーかどうかは迷うところ。かつお節(沖縄料理ならなまり節かな?)の存在感が大きい。
カレーランドのカレーですよ(東京)
濃厚なチーズカレー、チーズがカレーに勝っていてチーズカレーを通り越して「カレー味のチーズ」になっている。スパイスが隠し味のカルボナーラみたいな味。ご飯よりもパスタソースに合いそう。
ホタテカレー(北海道)
ホタテが入っているかどうか見た目では分かりづらいが、食べると口いっぱいにホタテが広がる。もはやホタテカレーというより「カレーの姿を借りたホタテ」といった感じ。カレーとも調和しているのだが完全にホタテが主役でカレーが脇役になっていた。それでもホタテの味が濃厚に出ているのでこれはこれで美味い。
三沢パイカカレー(青森)
パイカ(豚バラなんこつ肉)と呼ばれる豚の希少な部位を使ったカレー。肉の味は食べ慣れていないが柔らかすぎず固すぎず絶妙な柔らかさで美味しい。もちろんカレーに入れてもうまい。パイカはもっと肉の美味しい部位として有名になっても良いと思う。
三日月カレー(山梨)
コーンを前面に押し出したカレー。カレーというよりもスパイスのきいたコーンスープ。やさしい味わい。黄色く輝く見た目を裏切らない変化球カレー
ネギニラグリーンカレー(栃木)
ネギニラが強烈。しかもカットされたネギニラがしっかりと入っているので見た目もインパクト大。味は薬膳とエスニックカレーを足して二で割ったような感じ。日常でなじみのあるネギとニラを前面に押し出したカレーでありつつ、口に入れると非日常感が広がる。ネギやニラが好きな人にはたまらない一皿
さらべつ和牛ビーフカレー(北海道)
見た目は「日本の王道カレーライス」、味は肉が一味違う美味しさで全体的には「昭和のカレーライス」のグレードアップ版のような感じでした。
黒門屋とんこつカレー(兵庫)
一言で書くと「ご飯に合う豚骨スープ」、豚骨スープの味がしっかり出ていてご飯がすすむ。カレーのスパイスもしっかり入っているが、それ以上に豚骨スープがスパイスを包み込んでしまうぐらい豚骨が濃厚。
佐助豚とマッシュルームのお肉ゴロゴロカレー(岩手)
佐助豚もうまいがマッシュルームの存在感が大きい。マッシュルームがカットされないで入っているので食べた時の充実感がある。
常陸の輝き(茨城)
肉系のカレー、入っている肉のバリエーションが豊富。一個一個の塊が大きいので食べ応えがある。
ゆばカレー(茨城)
カレーの中に湯葉が入っている。湯葉に合わせたスパイスでやさしい味わい。
鹿肉カレー(長野)
鹿肉の存在感が圧倒的。ジビエらしさがしっかり残っている。野性的な味わい。
ぴえい豚カレーごろごろ煮込み(北海道)
肉が柔らかく口に入れるとほぐれる。読者のみなさんのイメージする「とろけるお肉」そのままのお肉です。ルウもしっかりしていて王道
しれとこ玉ねぎとエゾシカ肉のキーマカレー(北海道)
こっちの鹿肉カレーはひき肉になっているので肉の部分だけではなくカレー全体にジビエ感がある。玉ねぎもいっぱい使ってあるけどジビエ感が強烈。スパイスがもっと効いていても良いと思う。
北海道ハスカップカレー(北海道)
ハスカップを前面に押し出した紫色の見た目を裏切らず、味も個性的でハスカップの甘い味わいがカレーのスパイスよりも目立っている。
四万十ポークと山椒のカレー(高知)
見た目だけだと自然派の懐かしいカレーのイメージがあるが、山椒を使っているのでいわゆるカレーとはちょっと違った味がする。
静岡ワサビカレー(静岡)
ワサビオイルをカレーにかけて食べる変わったスタイル。ワサビとカレーの二種類の刺激が楽しめる。ワサビは思ったほど辛くはない。
日本一辛い黄金味ビーフカレー(京都)
18禁カレーほどじゃないが結構辛い。それでも普通のレトルトカレーに比べると辛い。肉の味もしっかり出ていて全体的には旨辛といった感じ。
18禁カレー元祖(茨城)
一口食べた。(私は中途半端な辛いもの好きです。)唐辛子を間違って丸かじりしたときの辛さが襲ってくる。これは辛い。脳内の辛さメーターがカンストした。これ以上の辛さはもはやカウントできない。そのぐらい辛い。
18禁カレー超痛辛
ここからは食べるというより、なめるといった感じでほんとにちょびっとずつ口に運んだ。もはや舌はマヒ状態。今度は息が熱くて辛くなってきた。激辛系は普段食べ慣れていないのでうまい形容詞が思いつかない。
18禁カレー痛い
これも少しだけ食べた。時限爆弾のように口の中で燃え上るカレーだった。そして後に残る。水を飲んでも口の中の炎が消えない。ここまでくると「痛い」カウンターもマヒしてきた。
18禁カレー危険
この日のラスボス。このカレーもちょっとなめてみたが、もう何が何だか分からない。先に食べたカレーが辛すぎて、このカレーは「辛い」という事しか分からない。今度体調万全な時にまたほんのちょびっと分けてくれる人がいたら再チャレンジしたい。私と同じように取材に協力してくれた人の中に世界最強の辛いもの好きの人がいて18禁カレーをおいしそうに食べていたがこの「危険」を食べて初めて辛そうなリアクションをしていました。世の中にはすごい人もいます。
レポートは以上です。
26種類ご当地カレーを食べて分かった事
- 日本のカレーライスをベースにしたものがやっぱり主流
- 尖ったコンセプトのカレーは「スパイスを入れて煮込んだからカレー」くらいのゆるい基準で作っていてこれはこれでうまい。
- 人によって好みは別れるかもしれないけど、だいたいみんな美味しい。
26種類レトルトカレーを食べ続けていくとだんだんとカレーの違いが分かってくるのですがそれでも、だいたい全部美味しくてコメントをどう書くかいい意味で迷ってしまうカレーもありました。こんな感じの取材の日があともう一日あったわけですから「このご当地カレーがすごい!」の制作現場はすごいです。
どれも個性的な味で普段絶対できない体験ができました。貴重な経験と美味しいカレーをごちそうさまでした。版元ひとりさん