音楽家の一家に育った少女和音は、幼いころ母親が突然いなくなります。それ以来母親と一緒にやっていたチェロから離れ、指揮者の父親とも家にいても疎遠な関係が続きます。そんな折父親に海外オーケストラへの赴任の話が持ち上がり、一人で暮らすことを決めた和音に、新しい母親真弓がやってきます。突然の同居の話に動揺する和音に対して、真弓は子供のような破天荒な態度で接していきます。今までとは違う接し方に少しずつ心を開いていく和音でしたが、16歳の誕生日を迎えた時に、衝撃の事実を和美さんの話と実母の手紙で知ることとなります。
今まで感じていた母親への想い、父親や真弓の大人の考えに翻弄され、自分を見失いかけた和音でしたが、真弓に触れることで、音楽という道を志すようになった親友二人に相談することで、和音も忘れさろうとしていたチェロに向き合うようになります。
チェロの練習や演奏会を通じて、二人の母親、不器用な父親の想いを知ることになった和音は、新しいステージに向うため、旅立ちます。
音楽を介した二人の母親のやさしさ厳しさ、演奏を通しか伝えられない不器用な父親の心、ともに夢を追う親友を通して成長していく和音の様子が繊細に描かれていて、子供の成長を見届ける親の気持ちを知ることができます。何かに向き合えって、何かにチャレンジするときには、手に取って読んでみてほしい本だと思います。
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