トンデモを信ずる町村官房長官

町村官房長官は疑似科学信奉者でした


町村長官は歴史認識からして「新しい歴史教科書」を支持する様な発言をするなど
かなりトンデモな感じがしていたのでしたが今回それが改めて裏付けられました。
やはり、疑似科学と歴史修正主義とはお互いにトンデモなだけに
合わせ出汁の昆布と鰹節のごとく相性が良いようです。
トンデモにはまる人は別のトンデモにはまっている良い例なのでここに記録します。


同じソースを幾つか一応並べておきます。

http://www.asahi.com/politics/update/1218/TKY200712180359.html
>町村長官「ＵＦＯ絶対いる」　政府公式見解に「異議」2007年12月18日21時28分
>
>「個人的には絶対いると思う」。ＵＦＯ（未確認飛行物体）は未確認という
>政府の公式見解に、内閣のスポークスマンである町村官房長官が１８日、
>「異議」を唱えた。
>
>政府は同日の閣議で、民主党の山根隆治参院議員の質問主意書に対し、
>「地球外から飛来してきたと思われるＵＦＯの存在を確認していない」とする
>答弁書を決定。文部科学省によると、「ＵＦＯに関する答弁書は初めて」という。
>
>ところが、町村氏は記者会見で「政府の公式答弁は極めて紋切り型。私は個人的
>にはこういうものは絶対いると思っている」と反論。
>「そうじゃないと、ナスカ（南米ペルー）のああいうの（地上絵）、
>説明できないでしょ」と述べた。
>
>一方の福田首相。同日夜、首相官邸で記者団から見解を問われると、「私は、
>まだ確認していません」。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071218ia22.htm
>ＵＦＯめぐって閣内不一致？町村官房長官「絶対いる」
>
>未確認飛行物体（ＵＦＯ）の存在をめぐり閣内不一致か？――政府が
>１８日に閣議決定した、山根隆治参院議員（民主）の質問主意書に
>対する答弁書で、ＵＦＯについて「これまで存在を確認していない」
>としたことをめぐり、閣内の反応が分かれた。
>
>ＵＦＯを信じるとして、答弁書よりも踏み込んだのは、町村官房長官。
>町村長官は１８日夕の記者会見で、「個人的には、ＵＦＯは絶対いると
>思っている」と述べ、記者団の笑いを誘った。その理由について、町村
>長官は「ナスカ（の地上絵）とか説明できないと思う」とも語った。
>
>一方、福田首相は同日夜、首相官邸で記者団からＵＦＯの存在を問われると、
>笑みを浮かべながら、「私はまだ確認してません」と応じた。
>（2007年12月18日23時32分 読売新聞）

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007121800828
>2007/12/18-20:06 ＵＦＯは存在する＝町村官房長官
>「個人的には絶対あると思っている」。町村信孝官房長官は１８日午後の
>記者会見で、未確認飛行物体（ＵＦＯ）は存在するとの持論を展開し、笑いを誘った。
>政府は同日の閣議で、ＵＦＯについて「存在を確認していない」とする
>答弁書を決定。会見で、見解を求められた町村長官は「政府答弁は政府答弁
>だが、そうじゃないと（ＵＦＯが存在しないと）ナスカ（の地上絵）など説明できない」
>と力説。このところ、年金問題で政府の責任を繰り返しただされているとあって
>「どうぞ毎回こういうご質問をお願いします」と言い添えた。
>これに関し、福田康夫首相は同日夜、首相官邸で記者団に「わたしはまだ（ＵＦＯを）
>確認してません」と語った。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071218/plc0712181819012-n5.htm
(魚拓)http://s02.megalodon.jp/2007-1218-2038-22/sankei.jp.msn.com/politics/policy/071218/plc0712181819012-n5.htm
>　－－先日民主党の参院議員から未確認飛行物体（ＵＦＯ）に関する質問主意書が出され、
>本日、政府としては存在の確認していないなどとする内容の答弁書が出されたが、この質問の
>内容や答弁書の内容について長官の考えは
>
>「うーん、まあ、あのー、政府のそれは公式答弁としてはですね、ＵＦＯの存在は
>確認していない。だから、対策なども特段検討していないという極めて紋切り型の
>答弁しかないだろうと思いますけれども、あのー、私は個人的には、こういうもの
>は絶対いると思っておりまして。個人的な、個人的な意見でありまして、政府答弁
>は政府答弁であります。そうじゃないと、いろんなところにあるね、ナスカ（の地上絵）
>のああいう、説明できないでしょ。と、思っているんですけれどもね。ま、ちょっと、
>これ以上広げないようにします。どうも。毎回、こういうご質問をお願いいたします」

私は上の町村長官の「ナスカの説明出来ないでしょ」の下りでうへぇぇ、、となりました。
これペルーなどの先住民族に対するものすごい侮辱なんですが‥

ちなみに町村官房長官は外相時代に歴史認識についてこんな事もいっております。。
http://www.chosunonline.com/article/20050515000037
>日本の町村外相「日本の教科書やや左」
>右翼団体の「新しい歴史教科書をつくる会」が作った扶桑社教科書についても
>「決して右ラフ(rough:フェアウエーを外れた区域で、草が茂っていたり、木々があり、
>次のショットが難しくなる)まで行っていない」と語った。
なるほどね‥こういうレベルの歴史認識な訳ね‥半歴史修正主義な訳です。
そりゃトンデモ科学と相性が良い訳です。。


これだけだと色々と誤解を生じそうなのでちょっと詳しく書きます。
宇宙人の存在を信じるとかは疑似科学ではありません。
この広い宇宙には大体10^11-12個の数の銀河が存在し
個々の銀河が大体10^11個の数の恒星を抱えていますから
宇宙に存在する恒星の総数は大体10^22-23個にもなります。

多くの恒星は当然惑星を引き連れているだろうしその惑星の中には
当然地球に似た環境の星もあるはずです。太陽型(G型)の恒星は
全恒星の内で大体40％を占めます。何よりも我々人類が
いる以上、人類を存在たらしめた因子を持った星はこれだけの
恒星と惑星系がある以上は恐らく他にもある筈です。
そういう因子を持った惑星の上では生命誕生が起きただろうし
そういう惑星の中から知的生命に至るまで生物進化をとげた
惑星もあるだろうと考えるのは極めて自然な事です。
(というか‥何人かの著名な天文学者に直接「地球外知的生命体の
存在を信じますか」と尋ねて「信じない」と答えた人は殆どいませんでした‥)

しかし‥ですね‥そういう知的生命体が地球まで来られるかと
なると話は全くの別物になります。恒星間飛行というのは
極めて難しい上に、恒星間飛行が可能な超テクノロジーを
実装した知的生命体がいたとしても地球にやってくるか否かは
また別問題だからです。
(ここら辺を詳しく知りたい人は適当に「ドレーク方程式」とかでぐぐって下さい)
ですからUFOの存在を信ずる云々は疑似科学とは私は思いません。
(今まで述べた事で私は「UFO＝地球外知的生命体の乗り物」として扱ってますが
米国情報機関etcが用いている厳密なUFOの定義はこれとは異なる事に注意してください)

で、、ですね、、私が眼をむいたのは町村官房長官の
>「ナスカ（の地上絵）とか説明できないと思う」
の部分です。これは完全な疑似科学です。ムーの読みすぎかこのオッサン。。

つまりナスカの地上絵を見て
「こんなすごいものをインディオに作れる訳が無い」→「宇宙人が作ったんだ」
という少し前に流行った「神々の指紋」的な発想を官房長官という
要職にある奴が持っている訳です。というかこういう発言をするようだと
恐らく町村長官の脳内空間ではエジプトのピラミッドも宇宙人が作った事に
なっていると思います。

しかしその論理は容易に日本の大仙古墳(仁徳天皇陵)etcにも適用出来るのですよね。。
「あんな大きな墳墓を日本人に作れる訳が無い」→「宇宙人が作ったんだ」
とすれば町村官房長官がどれだけ不勉強＋恥＋侮辱的な言葉を吐いているかは
容易に想像が出来ると思います。

詳細は挙げませんが、ナスカの地上絵が先住民族によって作られたとする物証は色々
とあります。例えば、地上絵のすぐ側に元絵となった小さな地上絵がみつかっていたり
ナスカ近辺から見つかる壺などの土器に描かれている絵柄は明らかに地上絵と
共通性がある、等々です。更にナスカに限らず他にも地上絵はあるんですよね‥

そしてこういう恥ずかしい「(超)古代文明は宇宙人が作った」という
トンデモ説を定例記者会見で開陳したのが町村官房長官な訳ですが
そういうトンデモ信奉をしている人間がトンデモ歴史認識(歴史修正主義)を
持っている事は極めて自然な事ですし、また興味深い事です。

やはりトンデモ(科学)にはまる人は別のトンデモ(歴史学)にはまるのだなあ‥と
思ったニュースなのでした。