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戦争ができない日本

2012年08月01日 | 日記
戦争ができない日本
西村 昭

日本は憲法で戦争をしないと決めているが、政府や多くの国民はその憲法をほとんど無視している。ところが日本は戦争をしない国ではなく、戦争ができない国なのである。
それは54基もの原子力発電所の存在である。防衛大臣や自衛隊の幹部は日本が戦争をする時、54基の原子力発電所を敵の攻撃から守れると思っているだろうか。もちろんそんなことは思っていないし、実際不可能でもある。福島原発では水素爆発ですら収拾不可能の放射線拡散をもたらした。戦争になって、航空機による爆撃、艦砲射撃、ミサイル攻撃等通常兵器による攻撃でも54基の原発を守ることは不可能である。このような攻撃を受けた場合、稼働中、停止中にかかわらず大量の放射線の拡散をもたらす。再稼働反対も戦争になったら意味がない。福島原発1箇所ですら、もしかしたら首都圏からの避難も想定しなければならないのであるから、54基のうちいくつかでも放射線を拡散させたら日本は終わりである。戦争相手国に原発だけは攻撃しないでとお願いすることなどできもしないし、そんなお願いなど相手国が受け入れることなどあり得ない。というわけで、自衛隊もどこかの国と戦争をすることはできないと考えているであろう。奇妙なことにストレステストでは戦争とテロは除外されている。その前提は日本の原発は戦争やテロの攻撃は受けないということだ。これでは慎太郎や田母神がいくら息まいても自衛隊は戦争はしない。
今慎太郎たちが一番戦争をやりたい相手は北朝鮮であろう。北朝鮮は核兵器をもっているらしいが、1万発も持っているアメリカ相手に核戦争をやる気はない。アメリカからしかけられたら、負けるに決まっているが、数発の核兵器で一矢を報いるだけだと言っている。アメリカ本土まで攻撃できないから一矢を報いる場所は日本の米軍基地になるだろう。北朝鮮はわけのわからない国だから金正恩や軍部が勝手に戦争を始める可能性もあると考えている人も多いかもしれない。金正恩体制はそんなことを考えず、かつ軍部をコントロールしているであろうが、日本政府はアメリカや韓国が戦争をしかけないようにする外交努力と同時に朝鮮半島の平和のための外交努力をどれだけしているのであろうか。強制連行問題や日本国内の高校無償化問題の対応を見ているとなにもしていないとしかみえない。さらに暴発は北朝鮮より、原発があろうと、自衛隊がどう考えようと、とにかく戦争をしたい勢力が増えている日本の方が心配である。
憲法ではなく私たちが反対している原発がとりあえず日本の戦争を不可能にいているのは皮肉ではあるが現実である。防衛省や自衛隊に、日本は原発があるので戦争ができないと明言させなければならない。しかし戦争をしたい人たちにとっては核兵器も原発も戦争抑止力にならない。今こそ憲法の理念を日本に確立することが重要である。



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