シャンパンブレイク

30年以上JAL国際線客室乗務員としてフライトし現在癌の治療中。お酒大好き旅が大好き趣味はランニング~

たまにはアクシデントのフライトも

2012年09月06日 | 客室乗務員を目指すあなたへ
長くフライトしているといろんなことがあります。

ボーディングしたものの雪で飛行機が飛べず、満席の飛行機、宿泊施設が満杯のため、機内に閉じ込められたお客様に地上でリカーサービス、ミールサービスしたこともあったっけ

雪で飛ばない飛行機で一晩過ごしたことも

などなどですが今日はまたちょっと変わった体験をお話します。


それは成田発大連空港往復のフライトでした。

大連の空港は軍との共有の空港なので、軍機が演習を行うと民間機は後回しのため待機を命ぜられることがあります。

それがしばしば、
それも突然

なので
大連空港は出発も到着も定時制を保つことが難しい空港の一つです。

またよく霧が発生しやすいため、天候不良でエアポートクローズになることがあります。

この時のフライト
コックピットブリーフィングでは
大連のお天気は今朝はまだ良くないが、到着の頃には回復する予報ということで、一応燃料を多めに搭載して出発をする。とのことでした。

大連到着40分前頃コックピットから知らせが入りました。

天候不良
視界が最低高度で不良とのこと

ここでひとつ
大切なことがあります。
それは機種によって、視界の最低高度は異なることです。

われわれの飛行機ではここ上空で待機をし、天候回復を待たなくてはなりませんでした。

結局1時間30分ほどぐるぐると大連空港の周りをホールディング

それでも天候の回復はなく

燃料補給のため、ソウルのイーチョン空港へ行くことになりました。

燃料を入れましたが、それでも大連の空港の天候が回復する見込みがないことがわかりました。

結局
目的地の大連空港には行けず
成田に引き返すこととなりました。

なが~い一日でした。


徒労に終わったフライトでした。
でも私たちクルーは仕事です。
お気の毒なのはお客様

もう成田発の大連行は便がないため、翌日の出発となりました。
本当にお気の毒でした。

オペレーションセンター(会社)に戻ってわかったのですが

大連空港では、すべての飛行機が発着できなかったわけではなく、小型機は発着できたそうです。

大型機は視界の最低高度が高く、小型機になればなるほど視界の最低高度が低く設定されているためです。

ですから大連のような空港へ行かなくてはならない時、大切な仕事の時など、機種を調べて、なるべく小さな飛行機にしたほうが良いかもしれませんね。

こういうフライトもあるんです。
一生懸命仕事をしても
達成感は得られません。

やっぱり
安全第一
定時制

快適なフライトだったよと言っていただいたけれど・・・・・

でも、目的地に到着できなかったことは

不完全燃焼
思いっきり疲労感の残るフライトでした。





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