明け方、大湯は深い霧につつまれていた。
こんな時、黒森山の山頂から鹿角盆地一帯を眺められたらと思う。
しかし山頂までの林道は、この夏の雨で荒れて、いまは山頂まで車ではいけない。
その山頂付近でも以前はよくみつかった明るい草原に咲くセンブリの花、
5弁たまには十文字の白い花が秋の草原に眩しく開いている。
三大民間薬の一つに数えられ、せっかく増えてきても、
或る日突然に姿を消すことも度々ある。
消えたセンフリは乾燥して50本100本を束に、
ツチアケビ・ゲンノショウコ・ドクダミ・マタタビなどと一緒に、
朝市に並ぶことあり、それも意外と安い。
これが草原で全部花をつけていたら、秋の草原もさぞ楽しいことであろう。