ちょっと時間が開いてしまいましたが、ヨーロッパ珍道中を再開します。トルコに着いた翌日か翌々日に熊本の震災が起きました。 被害報告がニュースで流れる度に東日本大震災が思い起こされ、ブログを更新する気になれませんでした。 しかし頭を切り替え小さくても良い、自分に出来る事を素早くやる事が被災者の「役に立つんだ」と 思うようにしました。 また、珍道中がみなさんの気分転換に少しでもなるなら、こんな嬉しい事はありません。
何とか間に合ったイタリアミラノからトルコのイスタンブールへはトルコエアーで移動。 到着ロビーでは取引先シンバルメーカーのサメット氏が私の名前を書いたプラカードを持って待っているはずだが、それらしい人はいない。
これは行き違えたか、サメット氏の携帯に電話しようとしたその時、若者が「Norixですか?」と英語で聞いて来た。 「え~?」 「プラカードも持たないでどうやって私を見つけるつもりだったの?」と突っ込みを入れたかったが、会えたからまぁいいかぁ。
到着したのがアジア側のイスタンブール空港、ホテルがあるのはヨーロッパ側。 イスタンブールは黒海が流れる橋を隔ててアジアとヨーロッパに分かれる。 サメット氏が「この混み方だとホテルに到着するには3時間以上かかる。お茶でも飲んで渋滞が収まってから出発しよう。」という事になり、エーゲ海に面したちょっとおしゃれなカフェで夕方過ぎまで時間を潰しホテルまで送って貰う。
翌日、サメット氏ともう一人がホテルまで迎えに来た。 シンバル工場はイスタンブールから250キロも離れたエディルネにある。 ほぼブルガリア国境に位置している。 往復500キロでは今日中にホテルには戻れないのでは? 行くだけで丸一日かかってしまう。 と素朴な疑問を投げ掛けると、あっさり 「片道2時間だから余裕で帰れる」との返事。 「そんなわけないだろ。何キロで走るんだよ」と頭の中でつぶやき、いざ出発。
「ほら、見ろ! 渋滞してるじゃん。50キロ地点ですでに40分も経ってる、今日中にホテル帰れるのか?」と小さく日本語でつぶやいた途端、 あれっ? 今何キロ出してんの? あっ、ヤバ、時速160キロ!!
怖いので、「えっと~ 制限速度って何キロだっけ?」とさりげなくスピードを落とすように諭したつもりが、「120キロだけど、誰も守らないよ」と今度は180キロまで上がった。 「あれ~逆効果かい!?」
トルコはテロが怖いから「安全なホテル」と念を押して予約して貰ったが、ある意味テロよりも怖い。生きた心地がしなかった。
本当に2時間で着いてしまった。 あ~怖かった。
エディルネは農業が主体の小さな田舎町。 何となく実家がある北海道の羽幌町と重なる。トラクターが我が物顔で国道を走ったり、古い廃車がドンと置き去りにされたり、懐かしい気分になる。 真っ青に晴れ渡る空を見ると羽幌に帰りたくなる。
工場に到着。 写真右がサメット氏、左がサメット氏の友人で今回初めてエディルネに来たそうだ。 いくらレンジローバーでも時速180キロは怖かった。 帰りはゆっくり走って欲しいものだ。
トルコ珍道中2に続く