春爛漫の紅のいろ

戦前の雑誌から鳥渡素敵な写眞をピックアップ

溝口健二「日本橋」

2018年05月02日 | 戦前の雑誌(特に映畫)
芝居とキネマ 昭和2年9月號グラビア 岡田時彦

以下、芝居とキネマ 昭和4年1月號
日活映畫「日本橋」泉鏡花氏の名作の映畫化。監督は溝口健二氏。

稲葉屋お孝 梅村蓉子
半玉お千世 夏川静江
葛木晋三 岡田時彦


梅村蓉子は祇園の姉妹の梅吉も一途で良かったけど、叶わぬ夢としては、岡田時彦と共演した「足にさはつた女」が見たいです。しかし色っぽいねぇ。(足にさわった女の写真はどっかの雑誌に載っていたのを覚へてゐるので探しときます)
この頃の夏川静江は美しいですが、夢千代日記のおスミさんを演じていた時は感慨無量でした。

岡田時彦と光喜三子

2018年05月02日 | 戦前の雑誌(特に映畫)
映画之友 昭和6年4月號より



写眞には以下のようにキャプションが付いて居ります。
蒲田の超特作映畫で、島津(保次郎)監督の「愛よ人類と共にあれ」で岡田時彦と光喜三子の若夫婦

フィルムが現存してないのが何とも悔しいですね。
また、この頃は無声からトーキー時代へと変はりつつある頃で、「トオキー受難時代」副題「彼等は果してトオキーを征服するか!?」という記事で、当時の人気俳優について書かれてゐますが、その中の岡田時彦の部分を以下に抜き出してみます。

岡田時彦・・・
顔と同じやうな聲を持ってゐる、といったら恐らく「そんな言ひ方はない」といはれるかも知れないが、顔と同じやうな繊細な、小味な聲を持つ人である。
あくまで、彼女達の憂鬱な愛人として、近代味を持った二枚目型である。
この二枚目俳優の聲は若い時代の伊井蓉峰のやうに綺麗型ではない。
自叙傳を書いて過去の閨房の有様さへ暴露させて平氣でゐる二枚目である。
何處か皮肉な味がある。
かうした複雑な表現は今迄の映畫でも度々見られてゐるけれども、これに臺詞が加はる時、現在、新劇、新派劇を通じて唯一人といっていい位の立派な二枚目が出來上がると思ふ。
神経が細く行き届く點だけでも、舞臺の人にとっては恐るべき二枚目である。
ただ心配なのはその體力が、どこまで岡田氏を保護するか、ただそれだけである。

トーキーになる前に逝ってしまって聲は聞くことができませんが、現存するサイレントのフィルムから想像するしかありません。


映画と演藝 昭和9年3月號 追悼記事

蒲田映畫「愛よ人類と共にあれ」で岡田時彦の若妻役で御出演の光喜三子嬢

2018年05月02日 | 戦前の雑誌(特に映畫)
映画之友 昭和6年4月號 表紙

上部の破れてゐるやうに見へる部分は、多分ネズミにかじられた跡だと思ひます。
(この雑誌購入時にすでにかうなってゐたので念のため)
それと、右側の黒い部分は、電子レンジでチンした時に焦げて仕舞ったもの。雑誌が金属の針のやうなもので綴じてゐる場合は、紙が燃えますので氣をつけませう。