乗鞍高原・上高地情報

乗鞍高原と上高地の四季の自然の姿を現地に滞在するガイドが紹介します。

「上高地獲ったど~!!」

2008-01-16 17:54:26 | 乗鞍アドレナリン日記
とにかく忙しい3日間だった・・・・
目まぐるしく変化する天候。

大雨に打たれたと思えば、小雪舞い。
小雪が舞ったと思えば、薄日が差し。
ついには天気予報を裏切る、どピーカン!!

これぞ有りのままの大自然の姿。
時に厳しく、時に優しく。
天気の神の気まぐれと感じてしまうほどの変わり様。
しかしどっちに転んでも自然はそのままでしかない。
ただただそこにあり続けるのだ。

とか何とか格好の良いことを語ってしまったが、やっぱり雨はきつい。
それが冷たい大雨なんてもっての他。
誰でも避けて通りたい道であろう。
もちろんガイドも然りだ。
「お客さん悲しむかな~ぶつぶつ・・・・」
何て柄にも無くネガティブに。
そんな気持ちを抱きつつ集合場所へ!
しかしそんな不安は会った瞬間に吹き飛んだ。
参加者のお二人は、俄然ハイテンション。
おまけに「雨の上高地もなかなか良いよね~」なんて、嬉しい事言ってくれちゃう始末。
「こうなったら、お二人に最高の上高地をプレゼントしたい!!」
そんな気持ちでツアースタート。

雨は降り止む気配も無く、勢いを保ち続ける。
雨音は容赦なくヤッケを叩く。
そんな半日が続いた。

お昼はいつも通りの小梨平キャンプ場。
雨のせいもあり、河童橋はスルー。
炊事場の屋根の下でおにぎりをモグモグ。
こころなしか、皆うつむき加減。

しかし、この時から天候が変わりだした・・・・
大雨は小雨となり、ついには小雪となって上高地に舞い降り始めたのだ!!
一同から歓声が上がる。
「これはひょっとすると、ひょっとするかも」
こんな淡い期待を抱きながら、明神までの道を進む。
常に後からパーティーを見守る僕の目にも、皆のウキウキは感じ取れる。
もちろん会話も弾み、自然と笑顔も。
さっきまでのトボトボはもう無い。
着実に歩を進める。

そろそろ休憩ポイントの明神館が目の前に現れ始めた。
とその瞬間。
「前穂だ!!」
誰かの声で、一同西の空を仰ぐ。
さっきまで覆っていた雪雲は風で流され、薄日が頬を射す。
そんな心地よい僅かな晴れ間の中に、神々の頂が現れたのだ!!
またまた一同一斉にシャッターを切る。
「大雨にも負けず、歩いてきた甲斐があった。」
誰しもがそう感じたであろう・・・・

この時から、これでもかっ!というほどのドピーカンが始まった!!
その後の2日間はいうまでも無い。
このシーズンではなかなかお目にかかれない最高の天気。
二人のペースも調子よく、予定通りツアーは進行。
内容の濃い3日間となった。

徳沢小屋での至福の夜。
凍てついた梓川河原で見上げた満天の星空。
朝日に照らし出された、圧巻のピンク前穂高。
人を寄せ付けない、厳冬の屏風岩。
天をも貫く槍ヶ岳。

語りだしたらキリがないのでこれで止め!
後は実際にご覧あれ!!
とにかく見るしかない。
「語れば語るほど野暮になる」。

とまあ、そんなこんなでツアーは終了。

恒例の展望台で、フィニッシュを迎えた。
(写真はその時のもの。逆光の焼岳に3人の勇姿が映える。僕のお気に入りのショット。)

3日間ふたりは本当に頑張って、元気に歩いてくれた。
色々な貴重なお話も聞け、僕にとっても内容の濃い毎日だった。
またいつの日か、皆で歩ける日が楽しみだ。
その時までに僕も成長しなくちゃ。

それではまた会う日まで・・・・






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2 コメント

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いいストーリーだったね。 (BAREN)
2008-01-21 06:43:45
最初は雨だったけど、
昼からは回復、その後はピーカン。
いろんな天気を楽しめるツアーだったね。

栄養士さんと学校給食のチーフ、
食事を作るガイドとしてはプレッシャーでしたね。
(おまけに調味料さすれるし・・・)

明神で一瞬見えてきたのは、
「明神五峰」です。
前穂とあるのは
「峰の誤報」でした。

いつもダメ出しのBARENから
返信する
誤報なり (PJMINE)
2008-01-21 17:23:18
読者の皆様申し訳ありません。
「前穂」でなく「明神」でした。
テヘ。
返信する

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